国立修復学校見学
ローマには世界的に有名な修復学校があって、その本部はあのミケランジェロのモセ像が入っているサンピエトロインヴィンコリ寺院前の広場に昔、あった。現在、トラステヴェレの、日曜日午前中の蚤の市で有名なポルタポルテーゼ近くにある、サンミケーレと言われる建物の中に数年前から学校は入っている。昨日は、たまたま機会があって学校を訪ねることができたのだが、学校内部の人の話に依れば、以前寺院の前に学校が入っていた建物は、寺院のお坊さんたちがホテルに改造するとかで欲しがったために、明け渡すことになったらしい。サンミケーレの方は、何と1700年代初めに当時の法皇が少年少女たちの養育所また刑務所として作ったもので、実に後に世界で作られていく刑務所のお手本になったものらしい。現在古い建物は修復がなされて、とても綺麗になっているが、驚くのは、窓がかなり大きかったり、沢山作られたりしていて刑務所と言っても非常に明るいし、またそのお部屋も一人部屋で当時はトイレも中についていたということ。ここで、上流階級の、言うことを聞かないような未成年が教育のために入れられたということもあったらしい。また、興味深いのはかなり広い刑務所のお部屋前の廊下で、未成年者たちがさまざまな手仕事をしたということ。例えば、法王がもっていた毛織物工場のための手仕事だとか、現在の学校につながるような修復?のような仕事もしたらしい。こういった古い建物を使いこなしていくというのは、内部事情に依ればかなり大変らしいけれど、あの修復学校がここに入ったのは、非常にウレシイことだと思う。実際に修復中の作品だとか、その云われ話、また修復が終わった作品と合わせて前の状態を教えてもらったりと、非常に有意義な時間を過ごせたことはラッキーだったと思う。少年たちの独房が並ぶ棟ウフイッツイ美術館からのボッテイチェッリ工房作品少女たちの独房が並ぶ棟