映画「perfect days」を観る
新年明けてから気になっていた映画を観に行っている。さて、今回は昨年カンヌ映画祭で話題になっていた(なぜかというと、日本の役所さんが男優賞を取ったヴェンダースの映画だから)パーフェクト デイズ。日本ブームなので、映画館では宮崎駿の邦題「君たちはどう生きるか」がこちらでは「少年とサギ」というタイトルになっていて、トップらしい。また、イザベル ユッペール主役の映画、「日本への旅」という映画も出ている。さて、本題のヴェンダースの映画。あらすじはご存知のように毎日渋谷の公衆トイレを掃除する男性の暮らし。といったもの。この男性をなんと役所さんがやっている。ヴェンダースといえば、昔彼の「パリ、テキサス」という映画を観た。ライ クーダーのギターがとっても風景に合って素敵だったのを思い出した。この風景は実はヴェンダースが好きなアメリカの画家、エドワードホッパーに非常に影響を受けているそう。今回、この新作を観ながら、ふと風景やシーンにマッチするとてもグッドな音楽と、ヴェンダースならではの画像にうっとり。懐かしい浅草の地下鉄の中にある居酒屋。いつも通りながらこんな所で食べたり飲んだりするんだ、と思っていたスポット。亀戸神宮近所にあるボロアパートにある主人公の部屋は外側からは想像できないくらいにミニマムだが、結構お洒落。彼の趣味。本を読むこと、音楽を聴くこと、写真を撮ること、小さな植物を育てること。なりげない日常に小さな喜びを見つける、彼の生活。映画を観ながら、おそらく何か暗い過去を忘れるためにわざとトイレ掃除をして体を使っているのかも、という感じはした。渋谷の公衆トイレは、主人公の清掃服にあるように、東京公衆トイレプロジェクトで作られた、有名建築家の作品だとか。これって、東京オリンピックに向けて準備していた一環かな、とも思った。最後に主人公が読んでいた本に、フォークナーの「野生の棕櫚」と、幸田文の「木」があった。また私も沢山の本を読みたいな、と思ったりした。お奨めの映画のひとつ。