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カテゴリ:カフェブレーク
「北斗の人」 司馬遼太郎
幕末の剣聖と言われた、千葉周作をモデルにした時代小説。 軽快なタッチで描かれた周作像が、作者の運筆を楽しんでいるのが分かる作品となっている。 父親の幸衛門の表現がユニークであり、剣豪小説にありがちな、重苦しさを無くす快作となっている。 司馬遼太郎氏の料理に合うと、いずれの人物も血が通い始めるのである。 「剣は瞬息」と言う剣技を会得し、神田お玉が池に道場を開き、門下生3000名の大盛況を誇ったと言われる。 その門下生には、坂本竜馬や桂小五郎もいた。 中西派一刀流より学び、その後北辰一刀流の一流を開いた千葉周作の、人間味溢れる情趣が描かれ 読後の爽やかさは、逸品と言えるだろう。 合わせて、「梟の城」をお薦めします。 非情な忍者の世界に、一塵の涼風を注ぐ快作、文壇デビューに相応しい。司馬文学の原型が見られる直木賞受賞作品。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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