テーマ:シンガポール生活(306)
カテゴリ:シンガポール生活
ついに親知らずを抜歯した。
思春期は不幸だった。 折角の男前な顔が歯並びひとつで台無しになるという屈辱をして、鏡を見るたびにため息をついたものである。 上も下も左前歯があさっての方角へ飛び出しており、下の前歯に至ってはアゴが細すぎたせいか三本しか生えてこず、いつしか冗談みたいな顔になった。 何度も親に歯列矯正をさせて欲しいとお願いするたびそんなものにお金をかけたくないうちの母は、ちょっと歪んでいるのがかわいいのよなどとスッ惚けたことをぬかすので、しようがなく薬局で買った高いホワイトニング歯磨き粉 (効果は全くないどころか研磨剤で表面を傷めて余計着色しやすくなる) を使うことでせめて黄ばみだけでも取れないかと無駄な努力をして心の安定を保っていた。そして大学に入った頃、わ、汚い前歯、矯正したら? と言ったのも母である。 そうして当時、矯正歯科で相談した折に初めて自分のレントゲン写真を見せられ、そこでようやく上下四本の智歯の存在を知った。 色々都合が合わず結局歯列矯正を断念してから早二百年。 一昨年の陸上勤務中に東京の歯医者へ健診に行った折、右下の親知らずが表面へ出現していることを知る。このしばらく、前歯が以前と比べてさらに飛び出してきたのと、妙に口臭が気になり出したのでどうしたものかと思ったら、まさに原因はコイツだったのだ。 もっと早く、日本で保険治療しておけば良かったと思うがしかしこっちに来てしまったからには仕方ない。 最近ようやく業務が安定して時間が取れるようになったので、そろそろ処置しようかとシンガポールの歯医者を調べたら、抜歯一本十数万円。アホか! シンガポールの医療は発達しているとか巷でぬかしてますが、費用や制度をみてごらんなさい、ただの医療後進国である。 というわけで平日休みを取り、今年から家族で通っているジョホールはタマンセントーサの歯医者さんへ。結果的に薬とレントゲン費用込みで1400リンギット(四万円くらい)で済んだ。といっても日本で保険治療した場合の五倍か…。 若い先生だが親切丁寧、診療中はいつもグーグル翻訳を駆使して子供らにも丁寧に説明してくれるし、カード払い可能、何より院内の清潔さがありがたい。直前の予約でもメッセンジャーでチャッチャとやってくれて、術後の経過も気にしてメッセンジャーで状況を聞いてくれる。 これで多少歯並びが改善してくれぬものだろうか。 抜く際にバラバラに割った歯の破片をもらって持って帰り、丁寧にアロンアルファで組み立てたのちじっくり眺める。こんなバカでかいものがまだ三本も埋まっているなんて。 写真を撮って母へ送りました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.07.07 17:53:45
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