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台風がきよるそうじゃ。
この船はあまり揺れに強くない(運悪くそう完成したらしい。)ので、時化から逃げるように、出港日も予定より早まりました。
日向にてお土産を買ったのち、同船者たちの待つ飲み屋へ向かう途中、空もまるで台風前の空模様である。
蝉の啼声渡る道々、およそ八月の通り雨もどきにぶつかり、傘さし行くも、より遠くにゃ晴れ間ありて、歩道に寝そべる我が影送りもたいそう楽しげである。
こりゃあ、昔楽しかった夏休みを思い出すわい。
毎年八月になるとはるばる東からやってきていた兄貴とも、最後に会ってから既に久しい。
今月末の大江戸で上陸後、何年か振りに会えそうな気がします。
土のかほりは、ゆっくり耽る時間を与えてくれる故、無くてはなりません。
エンジンの親方に散々野次られて、焦りもあったせいかついつい癇癪なぞ起こしてしまい、次二機になだめられ、駄目駄目じゃ。
わいもまだまだガキんちょです。