ゆれ
昔 愛した人に会った。一年半 いつも そばに感じていた人。毎日 何十通もメールして 電話を4.5回して。私の全てを理解してくれた人。自分の一部のような人だった。彼が恋をした人に会った。ただその人は彼を愛さなかった。ただ利用した。「どうせ騙されるなら価値のある女になさい」とキスを一つしたら彼は翌日 彼女と縁を切った。彼の首には 私があげたリングが光っている。いつも身につけていると。涙が出そうになった。彼に いくつ涙を流したんだろう。悲しい時も寂しい時も嬉しい時も私は素直に泣けていたのかもしれない。時には彼の前でも泣いた。彼に残る痕跡がいっぱいある。私があげた言葉を 忠実に守っていたり。私があげたアクセをしていたり。彼とのキスや 再会でゆれているのは きっと私の方。毎日くる電話を待ってしまっている自分を否定なんてできない。