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カテゴリ:小説
フランテル大陸の極東地方。 農業と交易が発展した文化の中心地。 ここに「RED STONE(レッドストーン)」に関する伝説が生まれたのは500年くらい前だ。 空から落ちてきたという伝説の赤い石、 実際にその石に触れたものは無きに等しい…。 不老不死と莫大なる富を生み出すといわれるこの石を 求めて、何人もの冒険者が生きる意味の全てを失った…。 出会い、そして別れ…。 人々は様々な思いを胸に、この「RED STONE」が導く運命に翻弄されていく。 序章 ざわついた空 空虚感の漂う街 土の匂いがしない大地 ここは古都ブルンネンシュティグ。フランテル大陸の極東地方。農業と交易が発展した文化の中心地であるこの地は過去の栄光を引きずりながら静かに繁栄している。街には各地から集まった商人、露天商 冒険者達、闇の世界に生きる人々、様々な人種、モンスターすら入り乱れ ざわついた空気が流れている。 その空気・・・どこか空虚感が漂っている。そうこの世界から赤石が消えてはや500年・・・ 気の遠くなるその時間で日々すべてから生気がなくなっていく・・・ この赤石はそもそもこの世界の力の源と言われ富と力の象徴と言われ続けてきた。しかし、事実を知っている者はいない。 そんな街の片隅に石作りの古びた建物がある。周辺は露天であふれ人々の行き来も激しい。その建物の冷たい壁に寄りかかるようにぼろぼろになった簡易的な鎧を着込んだうつろな表情の若者が立っている。 その若者の名を ユウスケ=ミューと言った。彼の故郷港町ブリッジヘッドからこの古都に到着したばかりであった。 「ここが古都か・・・・」 と周りの騒がしい風景に驚きを隠せないようにつぶやいた。彼自身古都のような都市に来るのが初めてだった。ブリッジヘッドもそれなりに栄えていたがこの旧都の冷め切れない熱に動揺すらしている自分に気づいている。そもそもブリッジヘッドの退屈な日々に嫌気がさして新たな新天地を求めやってきたのだが今はただ古都のなみなみならぬパワーに押さえつけられてるだけだった。 ユウスケ=ミューはしばらく呆然とした後、ふらりと足を動かした。自分があまりにも汚い格好をしていることに気づいたからだ。ブリッジヘッドからの道程でかなり武器、防具を消耗させ出発したときは新品だったのが今や中古で引き取ってもらえないぐらい傷んでいる。なにか良いものはないかと露天を覗いて歩いているうちに古都でも奥のほうへ入り込んだようだ。すぐ前が豪勢な住宅が並んでいるすぐ脇の石敷きの通路を先ほど見た露天の品々を思い浮かべながら歩いている。そんなとき、ふと神父の格好をした男がミューへ声をかけてきた。 「あ、そこの冒険者さんよかったら私の話聞いて頂けませんか?」 次回へ続く (ノ*゜▽゜*)ニパパパ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/10/21 04:43:32 PM
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