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海洋モノとか王国モノ?とかではなく現在日本の推理モノ。
「猿の手」と「残酷な揺り籠」の二篇の中篇を間奏というべき小品でつないだ形式。 二つの話は登場人物が重なっていて、ある意味つながった物語になっている。 「猿の手」はストーリーもいいのだが作中の「猿の手」の新解釈が斬新で、ぞくっとする。ホラーとしてはこの解釈がいいかも。 (「猿の手」はW.W.ジェイコブスのホラー?小説。こちらを先に読んだほうが倍楽しめるかも。S.キングの「ゴールデンボーイ」にも「猿の手」が出ているそうである。もはや古典なのか) 妃は船を沈める 以下ネタばれ含む。 「猿の手」の物語自体は、トリックでは見事にだまされた。某人物が川に入れなかった理由というのが真実を知った後では余計に怖くなる。 「残酷な揺り籠」は残酷な揺り籠という表現そのものが秀逸かもしれない。地震の後そんなに簡単に移動が可能なのかという難点はあるがストーリー・トリックともにまぁそこそこな感じで(上から目線でスマン!でもちょっと物足りない)で素直に読めた。 二作とも共通の「妃」の魅力がちょっとわかりにくい。特に「残酷…」の時でさえファム。ファタール的魅力がある女性かというとそう伝わっては来ないのだ。妃の魅力が故の犯罪であるべきなのでそこのところが描き足りないのはトリックの良し悪重要なのではないだろうか? 二篇をつなぐ形の「間奏」ともいうべき小品がいい。ファドを聴きに行ってみたくなる店だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.03 20:53:15
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