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カテゴリ:め
「言葉」のせいで連れ去られ戻ってこない「おじいさん」、「文字」が読めない語り手、そして「言葉」を発することのできない娘アンナ。コミュニケーションの欠如(ちょっと違うか?)という点で問題を抱えた母子なのだが、二人だけで過ごしている時それはそれで繊細で美しい生活を送っていたのだ…(描写がまた美しい。小鳥屋の小鳥たち、海、かもめ、しゃぼん玉)
娘の成長を受け入れられない母、という面で読むととんでもない話なのだけれど、母サイドから読むと哀しみと淋しさを感じる。語り手(母)の周囲に、もっと彼女のことを考えてくれる人はいなかったものか(時代的に難しいかもだが)頑なになってしまった彼女を、教え導こうとしてもなかなか素直には進んでいけないのだろうけれど。(アンナの父なる人がもうちょっと…なんとかならないものかとはちょっと思ったりするけれど) 救いのある終わり方にひとすじの光を見出すのが救い。 酒井駒子さんの表紙絵がとても印象的だった。 小鳥はいつ歌をうたう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.03 21:37:48
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