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カテゴリ:み
上巻を読んだのが二週間前なのでちょいと間が開いてしまったが、娘の学校図書館なので仕方ない(大会などで学校行ってなかったり中間テストだったり、ということもあるし。しかし町の図書館ではまだまだこの本は借りられまい)
どうも宮部氏のファンタジーというものには相性が良くなくって(汗)ご本人がゲーム好きということもあるのかミステリや時代物ではあんなに「深い」物を描いてらっしゃるのにファンタジーではなんというか浅さが目に付く。「できの悪いロールプレイングゲームみたい」と感想を書かれている方もあったが、まさにそういう印象を受けた。 もちろんストーリー的には面白くないワケではない。でもなんというか、風呂敷を無理やりたたんだ感がしてならない。 読後感はすっきり、とはいかない。ファンタジー世界での決着としてはハッピーエンドを望むところがだが、設定からしてどうやってハッピーにすりゃいいんだよ?ってものだし、結末はこうするより他はないよね、というものにはなっている。ソラの正体も途中でわかったけどそれはそれで(ほのめかしている訳で)いい。 主人公の成長物語として見るのもちょっと中途半端かもしれない。ユーリはあちらの世界でがんばったし成長したんだろうけど、こちらの世界での辛さは代役に押し付けたといえないことも無く、そこらあたりもなんだかなぁ。上巻の感想にも書いたけど、宮部さんにはリアル世界での話で描いて欲しかった。 あちらの世界、英雄、の世界観は良いので、続編は期待する。 続編を想像させるのは狼の牙のエピなんだけど、そこのところは蛇足かな。ユーリを他のオルキャストと区別して特別に扱う必要は逆に無いんだと思うんだけど。続編があるとすればユーリの物語ではなく、他のオルキャストと狼の物語、友里子の成長物語が読みたい。 英雄の書(下) 文句ばっかり言ってるけど、その実好きなんだよね、宮部氏。好きだからこそ期待しちゃう。 二冊並べるとつながってる。 英雄の書 上下巻セット著:宮部みゆき お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.09 22:40:41
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