仏果を得ず (三浦しをん)
文楽小説(というジャンルはナイと思うが)芸道小説、と構えることなく青春モノ、成長記として楽しめる。何かに打ち込み、己を高めようとする姿は美しい。良くも悪くもイマドキの青年である主人公がちょっと幼いような気もするがそれだけ芸に純粋に相対しているように思った。銀太夫ら師匠たちがいい味だしてる!読書メーターで他の人も書いているけど、朝の連ドラにできそうなくらい爽やかでいい(恋愛関係もドロドロしてないし)その昔(中学生くらいだったかな?)親に文楽に連れて行ってもらったことはある。お人形に釘付けだったから正直浄瑠璃はさっぱり印象になかった。お爺さんばっかり、というイメージで…(失礼!)文楽を知らなくても読めるけど、知っていた方がなお楽しめる。「あやつられ文楽観賞」は先に読んでおいた方が情景が浮かぶかも。仏果を得ずおまけあやつられ文楽鑑賞