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カテゴリ:えいが
下宿するようになってから映画を見る数が極端に減り、結局この映画が京都にきて初めて映画館で見た映画となった。
今年度見た映画はおそらく10本に満たないが、この映画は「ミリオンダラーベイビー」とともに今年一番の映画だ。だがそのどちらも決して心の晴れる映画ではない。以下感想を書きますが、少しネタバレが入っています。 この映画は、実際に起きた「ミュンヘンオリンピック事件」について書かれたノンフィクション小説を原作とし、その事件の報復としてイスラエル機密情報機関「モサド」が行った暗殺について描かれている。 この映画では、暗殺チームのリーダーである主人公が暗殺をしていくにつれて精神的に追い詰められていく様子が克明に描かれていて、主人公の家族愛や仲間とのやり取りがそれをいっそう引き立てている。 またこの映画、ノンフィクションだからだろうか、ものすごくリアルなのである。演技をはじめ、映像からでる雰囲気、そして暗殺の様子も。 特にリアルなのは、ミュンヘンオリンピック事件における犯人と人質の様子で、これはやりすぎと思うくらいのリアルさ。そしてこのシーンが主人公の心の葛藤とともに流れ、私を映画の中にさらに深く入り込ませた。 そして最後の主人公のセリフで語られる、この映画の本当のテーマ「憎しみの連鎖」。イスラエルとパレスチナをはじめ、歴史の中で常に問われ続けた問題である。しかしこれはなんとなくユダヤ人であるスピルバーグの私情が入っているという感じがするし、日本で暮らしている我々にとっては実感しにくいことだ。 2時間44分とかなり長い映画だが、ただの会話シーンすら目が離せないほど中身の濃いものだった。 映画を見た後、その内容も映像も頭から一日中離れなかった。そのくらいこの映画の内容と映像は印象が強いものだった。 主人公の心情の変化をうまく描き、リアルな世界観や描写を作り出すところは、さすがスピルバーグといったところ。どのジャンルの映画にしろ、彼は本当に映画のなかに観客を引き込むのがうまい。今回もしてやられたという感じだった。 ただ1つの誤算は、この映画をお笑い好きな友人たちと見に行ってしまったことだ。この映画はものすごく疲れるのである。結局、見終わった後微妙なテンションになってしまった。おまけにその日は一日中鬱だった。なんてこったorz 一人で見に行くことをオススメします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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