カテゴリ:遍路かく語りき
2回目の遍路日記も無事up出来たので、今日はお遍路の話。
写真は第五十五番南光坊の四天王・増長天です。 さて本日は遍路の心得・マナー・注意点について。お遍路には巡拝する上で守らなければならない心得やマナーがあります。 ‐―‐―‐―‐―‐ まずは【心得】 「十善戒(じゅうぜんかい)」弘法大師が説いた「諸戒は十善を本とす」という教え。仏教の教えで、人がしてはいけないこと、お遍路が守らなくてはならない戒律。 一.不殺生(ふせっしょう)…生き物を殺さない 二.不偸盗(ふちゅうとう)…盗みをしない 三.不邪淫(ふじゃいん)…淫らなことをしない 四.不妄語(ふもうご)…嘘をつかない 五.不綺語(ふきご)…お世辞を言わない 六.不悪口(ふあっく)…悪口を言わない 七.不両舌(ふりょうぜつ)…二枚舌を使わない 八.不慳貪(ふけんどん)…欲張らない 九.不瞋恚(ふしんに)…怒らない 十.不邪見(ふじゃけん)…邪な考えを起こさない 「三信条(さんしんじょう)」 一.摂取不捨の御誓願を信じ同行二人の信仰に励む…常に弘法大師と共に巡拝し大師の救済を信じることが肝心である 二.何事も修行と心得て、愚痴や偽りを慎む…巡拝は旅そのものが修行であるから、心安らかに過ごさなければならない 三.現世利益の霊験を信じ、八十八使の煩悩消滅に励む…いかなる人も、この世で救われることを信じ、八十八の煩悩を転じて、悟りの世界に入るよう功徳を積む ・・・「十善戒」は一般常識でも云えますよね 「三信条」にある『同行二人』とは、一人でいても常に弘法大師がそばにいるという意味。つまり遍路は大師との二人旅です。遍路の菅笠などに必ず書かれています。『現世利益』とは、現在この世で受ける神仏の恵み・現益の意味。 ‐―‐―‐―‐―‐ 【マナー】 「参拝」のマナー ●輪袈裟・数珠は手水場で身に着ける ●不浄な場所(トイレなど)では輪袈裟・数珠は外す ●鐘は自由に撞けるところのみ撞く。早朝や夜は撞かない ●参拝後に鐘を撞かない…縁起が良くないそうでタブー視されています ●ロウソクは後ろの段から、線香は中心から立てる・他人のロウソクから火を点けない ●灯明は1本、線香は三密(密教で仏の身・口(く・言葉)・意(心)の三つの行為。人間の理解を超えているので密という)を表す3本…とありますが、線香の本数は人それぞれみたいです ●読経の時は正面に立たない・他の参拝者への配慮です 「金剛杖」のマナー・・・金剛杖=弘法大師の化身とされています。 ●宿に着いたら、まず杖の先を洗い部屋の上座に立て掛ける ●橋の上では杖をつかない…橋の下で寝ている弘法大師を眠りを妨げないため。※後日、逸話を紹介できればいいな ●杖がささくれても決してナイフなどで削ってはいけない。布などを巻いて持つなどの工夫をする 「その他」 ●靴を脱いで上がる場所では菅笠を脱ぐ ●持鈴は歩行中は音をさせない ●他のお遍路さんに会ったら挨拶する…御宝号(南無大師遍照金剛)を唱え、合掌し、挨拶をかわします。とありますが、「こんにちは」や会釈でいいと思います。 ●「お接待」は断らない…「お接待」とは、地元の方などが遍路に物品、金銭などを与えもてなすこと。無償で自宅に宿泊させる『善根宿』という「お接待」もあります。遍路はそのお礼に御宝号(南無大師遍照金剛)を三返唱え納札を渡します。 とありますが・・・注意も必要です。詳しくは下記「注意点」参照。 ●常識は守りましょう・・・迷惑駐車や飲酒運転等の運転マナーはもちろん、一般的なマナーもね ‐―‐―‐―‐―‐ 【注意点】 最近は遍路を狙った犯罪や遍路を悪用する不届き者がいるようです。 車上狙い、盗難には気をつけておきましょう。納札には詳しく住所を書かない方が無難(納札箱は誰でも漁れる物が多いです)。女性1人の歩き遍路は狙われやすいようなので要注意 ・・・遍路同士の交流は情報交換や励ましになるし、「お接待」は人間の優しさを感じるすばらしい習慣だと思います。現代ではそんなふれあいさえも疑ってかからなければならない・・・悲しい世の中ですね ‐―‐―‐―‐―‐ さてと、ここまで書くのにかなり時間がかかってしまった調べながら書いたからね ということで、今日はここまで。 次回は、参考までに私の遍路装備・スタイルなど書きたいと思います。・・・私自身の初心を忘れない為の書きとめでもありますが・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年07月05日 14時09分13秒
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