FAUCHON(フォション)
FAUCHONと言えば紅茶、ジャム、アイスクリーム。そんなイメージを持っていたが,数年前にパンに出会った。旦那の実家に行った時、聖蹟の京王デパートで初対面。何でパン???と思ったものだ。私は食パンはとにかく値段で決めるタイプ。特売で98円なんてのに最も魅力を感じていた。その中でも当時割と気に入ってたのはヤマザキの「新食感宣言」もっちりとした初めての味にはまって、1斤5枚入りで家族2人の我が家には割り切れない枚数だったにも関わらず良く購入していた。私が生まれた時から実家は自営業を営んでいた。当時のメイン販売商品は「食パン」。ヤマザキから仕入れていた。私はいわゆる第2次ベビーブーム世代だった為、近所には育ち盛りの子供が溢れかえっていた。その為、食パンは飛ぶように売れた。5人家族で食パン2斤&牛乳1本が平均的な1日の購入スタイル。夕方には買い物のオバチャン達で店は大混雑!親に声をかけようものなら「忙しい時間は店に来るなって言ってあるだろう!」と張り手が飛んできたものだ。1日中両親は食パンを切っていた。「おやつ!」と叫ぶとパンのミミが渡された。食べても食べても減らない。大量に捨てなければならないほどあるのだ。あまりの多さにパンくずを袋に詰めて並べると、ベッドが出来て昼寝が出来るほど。実際そうやって昼寝をしたりした。弾力があって寝心地は最高だった。そんな状態を何年も続ければさすがに嫌いになるだろうと思ったのだが、(正直実家ではほとんど手をつけなかった。)結婚した途端、なんと私は「パン好き」に変身したのである。それは何故かというと、お金を払って食べるようになったから。たやすく手に入らなくなった途端に欲しくなる。バカの典型である。そんな私なので、初めてFAUCHONのパン・ド・ミを見た時は目が飛び出てしまった。「食パンが300円以上??そんなのありえないし!」(例えて言うならば、海沿いに住んでいる人がわざわざ魚にお金を払うような感覚が理解出来ないものと思って欲しい)しかも、それを購入する義母を見て「うを~~~!金持ちじゃ~~~!」と思ったのは言うまでもない。でも、わざわざ高いお金を出すのだから何かが違うのだ。少なくともヤマザキとは違うだろう。だってFAUCHONだもの。そんなことを考えながらいざパン・ド・ミに初挑戦!そしてカルチャーショック!!ド━━━(゜ロ゜;)━━ン!!何じゃこれは?歯ごたえにまずびっくり!外側が凄かった。サクッ!じゃない、ザクッ!バリッ!という状態。歯ごたえのあるパイを食べている感覚。フランスパン(バゲット)の様な感じを受けるがそこまで堅くない。そして内側はもっちり。新食感宣言なんて目じゃないかも!ザクッ!バリッ!もっちもち。ザクッ!バリッ!もっちもち。そんな感触が交互にやってくる。香ばしい香り、甘くない生地がまた新鮮だ。(ヤマザキは概して甘い)これがFAUCHONの味なのね~。その後、FAUCHONは京王デパートから撤退してしまい、旦那の実家ではお目にかからなくなった。先日横浜の高島屋でバッタリ再会。懐かしさに購入してみた。やはりあの味は健在だった。ザクザク感もそのまま。久々に堪能させていただいた。次に食べるのはまた先になるだろうが、ぜひこの味を保ち続けて欲しいと思う。