日本はなぜ敗れるのか
本屋で立ち読みしていたら、山本七平氏の[日本はなぜ敗れるのか]が目に留まり、今まで聞いたことの無いバシー海峡の話が載っていたのでつい買ってしまった。敗因21ヵ条についての解説はなるほどと思うものばかりで、一晩でいっきに読みきった。『危機意識をもってほしい。』という幹部の言葉にシラケテいる状況は今日でも変わらないし、勝つかどうかもあやしいところへ人をどんどんつぎ込む姿は、バシー海峡となんら変わらない。基本的には当時と変わらない状況に驚くが、敗因21ヶ条にあるように、10.反省力なき事、11.個人としての修養をしていない事との指摘がもっともだと思う。問題はそういう人達が責任ある地位に就いていることが、組織として同じ過ちを繰り返していくことになっていると思う。現状を見てみてもそれなりの修養を積んだ立派な人はいるはずであるが、既に会社を去ってしまったか、いても表には出てこれない状態に放置されている。なぜそうなってしまうのか?この本の最終章[自由とは何を意味するのか]に少しヒントがあるように思う。『フリー・トーキングをレコードして公表するような行為は絶対にやってはならず、そういうことをやる人間こそ、思考の自由に基づく言論の自由とは何かを、全く理解できない愚者なのだ』みんなで渡れば怖くない、という言葉は今でもしばしば聞かれるが、自分の意見も持てず確立もできない弱い人間集団が日本全体を支配している間は、同じ失敗が今後もあちこちで見られるであろう。