子育て意識調査結果について
ベネッセが東アジア5都市で就学前の幼児を持つ保護者に対してのアンケート調査を行った結果が報告されていた。将来どのような人になってほしいか、という調査結果は興味深い。●他人に迷惑をかけない人 東京;71% ソウル;24.7% 北京;4.9%●自分の家族を大切にする人 東京;69.7% ソウル;69.2% 北京;71.8%●仕事で能力を発揮する人 東京;20.1 ソウル;21.2% 北京;46.9%●リーダーシップのある人 東京;6.1% ソウル;46.8% 北京;15.5%記事の見出しには、 『「知・徳・体」配慮の東京』として、さらに バランス型の価値観、「強い不安感」も浮き彫り、とあった。《他人に迷惑をかけない人》は東京が圧倒的に多く、《リーダーシップのある人》は逆に東京が圧倒的に少ない。一体全体、東京の親達、特に母親達は、何故お受験教育に熱心なのだろうか?他人に迷惑をかけない人に、と思うのであれば、子供達を自由に遊ばせて人間関係を肌で感じ学ばせるのが一番だ。それなのに今は習い事やお受験でそれとは逆のことをしている。このアンケートから読み取れるのは、なるべく目立たず、つまり出る杭は打たれるということなく、人の上に立つよりも、何事も無く無事にそれなりの生活を送れればいいという、子供達にとっては夢も希望も無く、しかし実際の生活は窮屈でなおかつ疲れ果てているのではないだろうかと心配な世の中になっているように思う。少し言いすぎだろうか?本文の解説には、「子どもがわずらわしくていらいらしてしまう」とか「子どもに八つ当たりしたくなる」といった否定的な感情を持つ母親は6割を超え、東京が5都市の中で最も高いのである。これはなぜなのだろうか。とあった。今回のアンケートは、東京という大都市における母親達の不安定な気持ちを浮き彫りにした結果だと思う。最近ではこれが地方へも及んでいるのではないかと思う事件がいろいろと起きている感じがする。これは教育システムのせいばかりでは無いだろう。1960年代から続いた高度経済成長の歪みが何世代にもわたって影を落としているとみるのは考えすぎだろうか?