今年の終戦番組では戦争証言が次々と明らかに
NHKテレビで放映された戦争証言に、あらためて戦争の悲惨な状況を知ることが出来た。いままでの戦争記録では知りえなかった、最前線の人たちの証言には重いものを感じた。評論家や一部の政治家が繰り出す戦争擁護の発言に、楔を打ち込む当事者の証言は貴重だ。きのうはガダルカナルや沖縄など、戦場の最前線で生き延びてきた人たちの証言には心を打たれた。その前は、三夜連続で海軍上層部の人たちの反省会と称する録音テープが紹介されていた。戦後20年以上経過してからこのような反省会が行われていたとは驚いた。やはり、戦争責任者たちも自分たちの過ちを総括しておきたかったのだろう。なぜ無謀な戦争に突き進んだかを、自分の声として残しておきたかったのだろう。400時間におよぶテープが残っていたそうだから、放送出来なかった部分も相当あったと思う。歴史研究家たちは、真摯にこの生の声を聴いて歴史の真実を浮き彫りにし、世の中へ伝えてほしい。この番組で印象に残った言葉、『やましい沈黙』は現在でもあらゆるところにある耳の痛い言葉だ。資料には残されていない生の声が聞けるのは、あと数年しかない。そういう思いは、80歳、90歳になっている戦争体験者も同じだと思う。それが証言をする気持ちにさせているのだろう。核爆弾の被害を被った唯一の国、日本。二度と戦争をしない、させない、という決意を新たにする。