61歳の誕生日を迎えて(その3)
オイルショックを契機に日本は省エネが進んだ。公害問題も経験し、環境への配慮も進んだ。大きな問題にぶつかるたびに、工夫を凝らして新しい産業構造への転換は素晴らしいと思う。それは国民のレベルが高いということもあるが、日本人の気質によるところも大きいと思う。常に困難に立ち向かわざるを得ない状況に、優れた対応力を発揮していく国民の力には感心する。それと引き換えに、いわゆるエリート層といわれる人達の堕落が進んでいったようにも思う。60年代の学生運動では、そういうエリート層への反発もあって大きく激しい運動になったと思うが、その運動に関わった人達もその後の企業戦士として高度成長まっしぐらに突き進んでいった。それはバブル期で頂点に達したが、エリート層の堕落はそれ以上に日本全体に蔓延してしまったようだ。バブル崩壊後の相次ぐ不祥事がそれを物語っている。三島由紀夫が憂いた状況が、現実となっていったのだ。バブルで犠牲になった人達はたくさんいる。先日、約30年ぶりに小学校同窓会や中学校同窓会があったが、色々な業種の人達と話ができて楽しかったと同時に、勉強にもなった。そこでもバブルで傷ついた人達がいた。たまたま親から引き継いだ土地を持っていたばかりに、銀行からのしつこい誘いに乗ってしまい、結局2億円の借金をした男がいた。今も借金を返しているそうだ。同じような境遇の人達は何人もおり、自殺をしてしまった人もいたそうだ。私も上司に誘われてゴルフ場の会員権を購入したが、結局バブル崩壊後に倒産し、大損をした。そういう庶民を尻目に、企業トップや既得権益に乗ったエリート層が何の反省もせず居座り続けたり、逃げたりしていったのだ。その後遺症は20年が経った今も続いている。そういう状況を何とか改善したい、後世の若い人達に胸を張って引き継ぎたい、という思いもあって、このブログを書いている。続く、、、