エルピーダメモリの破綻について
半導体DRAM会社として日本で唯一のエルピーダメモリが会社更生法を申請して受理された。経済産業大臣のコメントもすぐ出され、国としても事前に了承していたようだ。経営破綻はありうるとは思っていたが、3月に入ってからだと思っていたので、少し驚いた。さすがに坂本社長は決断が早い。本件については既に新聞やニュースで解説もされており、またいろいろな人達がコメントしているので、それ以上言うことはあまりないが、私なりのコメントをこのブログに残しておきたいと思う。要点だけを簡単に書いておく。1.破綻の原因はいろいろあるが、DRAMからの脱却が遅れたことが主因だと思う。 フラッシュの開発も取り込んだが、失敗したことが誤算だった。 次の手を早く打つべきだった。2.コモディティ製品を安く大量に製造することは日本ではもう無理である。 価格面でもはや勝てない。3.今までの製造業は海外移転せざるを得ない。 グローバル企業として世界を相手にするのであれば、日本から 出ていくのは仕方ない。 しかし、そこで働く人間はそう簡単に海外へ出ることは出来ない。 大量生産技術ではない技術分野を開拓していくしかない。 それは物質経済からの脱却をしていくことになる。 物質的に豊かになった日本では、心の豊かさにつながる新しい 働き方を考えていくべきだ。もっといろいろ述べたいが、別の機会にする。直近の問題として、エルピーダの最高技術をなんとか将来へつながるようにしていかねばならない。技術者をいかに処遇していくかを考えねばならない。この問題は、他の製造業へも波及する大問題である。下手をすると日本の将来の地盤沈下を加速させてしまうことになる。