というのが露骨な「ハシズム」旋風を演出しようとするテレビメディアへの印象か。かつてはドイツがヴェルサイユ条約による過酷な賠償に苦しみ、国内で「決められない政治」を繰り返しモタモタしていたが、その先に出現した政治・社会状況を思い出すとよくわかる。
もっと最近では亡くなったハイダーがオーストリアで先ず地方政治を牛耳り、国政を握ったケースもあり、かならずしもナチス・ドイツに特有の社会現象ではない。あのファシスト党を率いたムソリーニだって決して議会多数を握ったわけでなく当時の国王から授権された。
なにがしかの「勢い」によって時の為政者としての実権を握る。このプロセスには幾つもの手段が有り得る。だから複数のシナリオを考えておかないと簡単に倒されてしまう。その準備が今の為政者たちにあるか。この点に実は日本の今後の針路が暗示されている。