かつて消費税の導入時には週刊誌に加えて新聞もテレビも政治的なスキャンダルを引き合いにしてドタバタを演出した。ましてや売上税構想の失敗を経た「三度目の正直」であった。それと比べると野田の姿は竹下と重ならない。ただ口先だけで天下国家を弄ぶだけ。
この3年余り小沢一郎をスキャンダルの象徴に仕立て上げて彼を実際の実力以上に持ち上げたメディアだが売文主義と罵られても当然である。当時、政権末期の中でオフレコで官房副長官が語った話はデフォルメされて、片や鉢呂の方は強引に事実を捏造もした。
この隠蔽と捏造の連鎖が「東日本大震災」や「東京電力福島第一発電所事故」の被害を甚大なものにした真の原因である。メディアは原発事故直後から半径50キロ圏内を立ち去り、これまでもウソを繰り返した東京電力の謀略をコトバ巧みに国民に言い聞かせた。
この国では世界の中で相対的に自国を見る眼となるべき情報がメディアから報道されず単純で耳障りの良い話しか報道規制のフィルターを通過しない。だから今もドイツ大使館は大阪に逃げているかとか、一体どこの国や地域が日本をオミットしているか知らない。
こういう国はピョンヤンを嗤う立場にはない。なぜなら彼らは正に対岸の国家で繰り広げられるクダラナイ仕来りを鵜呑みにして今も国家運営に勤しんでいるのだから。構造改革は本来の用語法を易々と乗り越えてしまい、いまや全体主義実現に向かい走っている。