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ザコF2の隠れ部屋

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2005年11月07日
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カテゴリ:展示会
前回日本の和歌を取り上げたので、今回は漢詩を取り上げたいと思います。
王維・白居易・李白・杜甫など著名な詩人がたくさんおりますが、
私が一番好きなのは曹植です。

三国志で有名ですね。
魏の武帝曹操の息子で、のちに魏王朝を建てた文帝曹丕の同母弟であります。
で、この2人の才覚がなみいる息子たちの中で群を抜いて優れていたために
後継者争いとなって発展したのは知られていると思います。

三国志“演義”では冷たい兄曹丕に優しい弟曹植として描かれてますが、
正史の方を読むかぎりでは、
為政者として早くから自覚を持った曹丕と
豪放磊落で人付き合いの良い曹植といった感があります。
私の印象ですが。
あと有名な「七歩詩」は後世の偽作で、
まずああいった定型詩は曹植の時代にはありません。
けれども、あの時代の兄弟の雰囲気を良く表していると思います。

曹植は漢文学史上初めて詩聖・詩神と呼ばれた人物であります。
それまでは民謡的なモノ(詩経・楚辞など)が伝わるだけであった漢詩が
個人の名で歴史に残る最初の人なんです。

モチロン、
父曹操と兄曹丕、さらに建安文学と呼ばれた曹操の文学サロンの影響が
彼の才能を発揮する場になり、ぽっと出てきたわけではありませんけどね。

彼の詩の特徴としては
兄曹丕に辺境の地に追いやられ、
中央の政治に関わることが出来なくなり、
その地で感じた悲しみと激情がたくみに表現されています。
それらの悲憤が美しい詩に昇華しています。

こうした辺境の地へ追いやられた激情・悲憤というのは
のちに白居易などの流転の詩人にも通じるものがあります。


また彼は詩だけでなく、文章も名文をいくつか残しています。
「文選」でそれらを読むことが出来ます。
ほとんど全てが辺境の任地で書かれた自己推薦文で「表」と呼ばれるものです。
えーと諸葛孔明の「出師の表」のようなものですね。
ほとんど自己推薦文というのはちょっと大ざっぱ過ぎるかな。
あ、あと
母の卞氏が亡くなったときに書いた「卞太后の誄」や
兄が亡くなったときの「文帝の誄」などもあります。
お葬式の時に読む送辞のようなものです。
名文です。

曹植を知ったきっかけはこっぱずかしいので書きません。
今でも時々適当なページを開いて味わいます。
あと旅行に出かけるときは大体まずこれか、
三島師匠の「葉隠入門」を持っていきます。
ちょっとした待ち時間に読むのに適しています。

彼の作品は岩波書店から出ている中国詩人選集の一集第3巻に収められています。
たぶんこれだけが唯一まとまって読めるものだと思います。
中国本土での現代中国語でまとめられているものも
私が見かけて購入したもので2冊ほどあります。
中国文学専門店でないと、なかなか見ることの出来ないものですけどね。
いつか岩波の選集第1集と第2集揃えてやりたいですが。


最後に一番有名な詩「野田黄雀行」を掲げておきます。

  高樹 悲風多く
  海水 その波を揚ぐ
  利剣 掌にあらずんば
  友を結ぶ 何ぞ多きをもちいん
  見ずや 籬間の雀
  タカを見て自ら羅に投ず
  羅するひと 雀を得て喜び
  少年 雀を見て悲しむ
  剣を抜きて羅網をはらえば
  黄雀 飛び飛ぶを得たり
  飛び飛びて蒼天を摩し
  来たり下りて少年に謝す

※羅(あみのこと)

ムダがなくてとても美しい詩です。
イメージの広がりと飛翔と煌めきが凝縮されていて素晴らしいです。
親しかった友人が獄に落とされ、仲を引き裂かれた悲しみを歌っています。
「力を持っていたならば助けられるのに」という
自分の力のなさに対する悲憤の気持ちが強く出ていますね。


では次回。





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最終更新日  2005年11月07日 23時36分01秒
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