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2013年01月14日
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カテゴリ: ・・・ドラマ
 ド ラ マ   TBS 『 ビブリア古書堂の事件手帖 』

201301_ビブリア古書堂の事件簿_Title_01.jpg

第1話 : 『それから』 偽のサインと古書に秘められた謎


原作 : 三上 延  /  脚本 : 相沢 友子
プロデュース : 小原 一隆、藤野 良太 /  演出 : 松山 博昭、宮木 正悟
主題歌 : E-girs 「 THE NEVER ENDING STORY 」





原作未読の私でも主人公の栞子さんと演じる剛力ちゃん
だいぶイメージ違うんじゃないのかなぁ~と思ったのですが、
どんなもんでしょ^^;
原作は2012年の本屋大賞ノミネート作品なので
話自体はしっかりしてると思うのですが。

ドラマの制作発表の挨拶で、月9の主演に抜擢された剛力ちゃんが
周囲に感謝の言葉を述べるとともに感極まって涙したと聞き、
「なんていい子なんだ~」と感動した私。
それだけで視聴決定です。(つくづく単純な私うっしっし

ただ、明るくて天真爛漫さが魅力の剛力ちゃん、
今回の栞子さんの役作りのため笑顔禁止令が出ているとか。
一番の売りを封印されるのはちょっとツライかなぁと思ってしまう次第です。
制作発表の晴れ着姿での笑顔が眩しかっただけに、
なんだかもったいないな~と・・・。


第一話夏目漱石『それから』が題材でしたね。

夏目漱石は中高生の頃、『坊ちゃん』だけは
読んだことあるのですが、それ以外の作品は未読です雫
川端康成や太宰治は好きでよく読んでたのですが・・・f^^;
『坊ちゃん』のインパクトが強すぎて、少年漫画のような清々しいまでに
正義感溢れる豪快な小説ばかり書く人だと今の今まで思っていました。
そうじゃない作品もあったんですね。知らなかった。。。f^^;





 あ ら す じ 



物語は「ビブリア古書堂」の店主・栞子のもとに、
古書の査定をしてほしいと大輔がやってくるところから始まります。
大輔が持ち込んだのは亡くなった祖母の蔵書『夏目漱石全集』全三十四巻で、
その『第八巻 それから』に「夏目漱石」の署名と「田中嘉雄様へ」との記入があった為
これが本物なら高く売れるのでは?と期待した母から頼まれたものでした。
 
サイン自体は書籍の発行年数からすぐに偽物だと気付いた栞子。
他に気になることがあり、おとなしく本の査定を待っている大輔をヨソに
何やらジッと考え込み自分の世界に入り込んでしまいました。
いよいよ、しびれを切らした大輔に声をかけられハッと我に返る栞子。

そして長らくの沈黙を破り、サインが偽物であることは明白だが
これを書いたのは本の持ち主であるお祖母様ご自身かもしれないと告げました。
本を愛し乱雑に扱うことを厳しく制してきた祖母がこんな子供じみた
落書きをするものかと、にわかに信じがたく、栞子にその根拠を問いただす大輔。

栞子はその根拠として、漱石全集三十四巻の内、第八巻のこの1冊だけが
他とは別に購入されたものだからと断言します。
残りの三十三巻には前の所有者が署名代わりに押した蔵書印があり、
第八巻だけにそれがなく、代わりに漱石の署名と「田中嘉雄様へ」とあったのです。

そして栞子は「お祖母様のプライバシーに関わることですが」と前置きした上で
驚くべき独自の推論を展開していきます。
 
まず、祖母はこの『第八巻 それから』を田中嘉雄なる人物からプレゼントされ、
それを他の人に気付かれないようにするため、わざと後から「夏目漱石」の
サインを偽装し、さらに他の本に紛れ込ませるため『夏目漱石全集』三十四巻を
探し買い求め、重複した第八巻だけ処分したのだろうということでした。

この本を贈った田中嘉雄なる人物は、きっとお祖母様のとても大事な人だったに
違いないと言う栞子は、さらに「大輔」という名前を付けたのはお祖母様ではないか、
またお祖母様が結婚したのは1962年より前か後かと、
具体的な質問を大輔に投げかけるのでした。


  ここから先は完全ネタバレ(要注意!) 

下矢印




下矢印




下矢印





下矢印




 STORY 


大輔は漢字こそ違うが『それから』の主人公「代助(だいすけ)」と同名。
主人公の名を孫に名付けたその事実にこそ、大輔の祖母の
田中嘉雄氏への特別な想いが込められていると感じ取った栞子。
そして、この本の贈り主である田中嘉雄なる人物の祖母への想いは
この本の物語にその全てが秘められていました。

夏目漱石全集の第八巻『それから』の物語は、裕福な家庭に生まれ
何不自由ない暮らしをしてきた主人公(代助)が、仲の良い友人夫妻の
様々な相談に乗り、果ては金の工面まで奔走してやる内、学生時代から
先に知り合いだった友人の妻である三千代を今でも愛していることに気付きます。
一度気付いてしまった想いは誤魔化せないとばかりに、
主人公は友人の妻・三千代に告白することを決意。
相手は人妻、許される恋ではないことは百も承知。
当然、想いを告げ合ったあかつきには家からは勘当、友人からも絶縁を
突きつけられるという厳しい現実が待っていました。
それでも愛する人が傍にいるだけでそれだけでいいと、財産も将来も
何もかも投げ打って新たな未来に歩み出す決意をします。
最後に主人公が職を探しに家を出るところで物語は終わります。

栞子いわく、この本の贈り主は、主人公に自分を重ねてその想いを伝えるべく
この本を贈ったのであろうということでした。

結婚した年を聞いたのは、後から買い足した漱石全集がビブリア古書堂で
売られていたものであり、開業初年度の1962年だけ手書きしていた値札が
そのまま本の中に挟まれていたからでした。
結婚の年が、この本が売られた1962年より前だったことで、大輔の祖母と
田中嘉雄氏の関係は結婚後、つまりは不倫関係だったと栞子は確信します。

大輔は母から祖父が飲んだくれてばかりでロクに仕事もせず、生計は祖母が
一人できりもりしていたこと、離婚したくても時代がそれを許してくれなかったこと、
本当は別に好きな人がいたらしいという話を聞きだします。

そして、飲んだくれて凍死した祖父は、とても小柄な人だったというのに、
一族の中で大輔の母と大輔だけが長身だという事実が、
ただの偶然ではないのではないかという重大な疑問に行き当たります。

鴨居に頭をぶつけた大輔を見て、親戚のおばさんが思い出したかのように
大輔の母が生まれる時に鴨居に頭をぶつけても大丈夫なようにゴムのクッションを
付けさせた祖母の話をしたのでした。これが何を意味するのか・・・。

大輔の母親も、祖母の葬儀の際、「そういえば親族の誰もが知らない
長身の老人が大輔と同じように鴨居に頭をぶつけていた」と思いだします。
大輔が慌てて芳名帳を探してみると「文京区春日二丁目 田中嘉雄」の
名前が確かにそこに書かれていたのでした。
大輔は居てもたってもいられず、書かれた住所をくまなく探してみましたが、
ついぞ田中嘉雄なる人物を見つけ出すことはできませんでした。

結局、本の贈り主と同一人物かどうかを確かめることができなかったと
落胆する大輔に栞子は「その人です。」とキッパリと告げるのでした。

栞子は芳名帳に書かれていたその住所は『それから』の舞台になった場所だと言い、
お祖母様は最後に田中嘉雄さんに見送ってもらえたということですね」と締めくくりました。

何十年にも渡って秘められていた、おそらく大輔の母の出生の秘密に関わる一大事を
栞子は一冊の古書から、いとも簡単に紐解いてしまったのです。
大輔は自分の出自にも関わる重い真実を、なぜかスッキリとした気持ちで受け止め、
本が読めない特異体質の知った上で自分を雇ってくれるという栞子の言葉を
素直にありがたく受け入れたのでした。



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最終更新日  2013年01月22日 05時15分32秒
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