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あっちゃんの信州なんでもかんでも情報日記

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May 19, 2007
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カテゴリ:その他

 今、考えること


 朝食  食パン、 牛乳、野菜サラダ

 昼食  ざるうどん、

 夕食  カレーライス、味噌汁


 標準的な食事だ。食べた食材の中に海外から輸入されたものはあったろうか。
 
 まず、食パン、うどん、カレールーは小麦を使っている。これはアメリカから

 の輸入が多い。

 カレーに入っている豚肉はカナダやアメリカのものが多い。シーフードなら海

 老はタイやインドネシア。味噌汁の味噌の原料は大豆。これも中国やアメリカ

 が大多数。


 日本の食糧自給率はカロリーベースで相変わらず40%。農業はほとんど儲か

 らないし、海外からの安い食材がどんどん輸入されればどうしようもないか。

 しかし、昨年上伊那では豪雨による災害が著しかった。

 その原因は、

 異常気象 → CO2による地球温暖化 → 自然のかい廃 → 森林や農地の放棄

  → 林家、農家の高齢化 → 農林業の衰退 → 農林業は儲からない → 工業製

 品の輸出の代わりに海外からの安価な農産物の輸入 → 日本の経済成長


 こういった構図が考えられる。

 極論だが、「日本の経済成長(工業による)のために農林業を犠牲(あるいは見

 捨てた)にした」と言える。



 今日、信州大学農学部で田園環境工学研究会シンポジウム「人と、森と、動物と

 -人里への動物の出現と森林整備―」が開催された。上伊那では昨年住宅地に熊

 が出没する等が起きたが、それらは里山での人間活動が低下したことによるもの

 だ、と講演があった。また、自然が自然であるために人間が何も手を掛けない、

 入れないことが本当に良いことなのではなく、里山に人間活動(山林での間伐や

 農業活動)があったからこそ、そこが人間と動物の緩衝帯となってきたし、また、

 生物の多様性というのは人間活動があったほうが増加することをオサムシの調査

 によって明らかにされた。自然は人間活動によってその結果が変わるのだ。


 戦後 ~ 高度成長時代 ~ バブル時代 ~ バブル崩壊 ~、と時代は移り変わって

 きてもう戦後80余年が過ぎた。経済成長による80年分のツケを、それによって犠

 牲にしてきたものや人があることを反省しなくて良いのだろうか。このことをし

 ないで、往々にして効果のないものや儲からないものは切り捨てる、という成果

 主義的な考え方はいかがなものか。農林業が果たしてきた役割は生産とともに、

 そのあるべき活動によって守られてきた自然や環境があるのだ。その「活動」を

 経済成長とともに、それらを衰退させてしまった。というのは、経済成長ととも

 に儲かる農業も考えられた(農業に夜所得は低かった)が、政府は単に生産者米

 価を上げることで対応したのだ。しかしだ。アメリカから安い小麦を輸入しなけ

 ればならなくなり、その消費はパンや麺類によって、米の消費量はどんどん減っ

 ていくこととなったのだ。小学校の給食で食パンやコッペパンが出たのがそれで、

 米余りが出てくると米飯給食が始まった。その様にして‘利用されていたのだ’

 とも思う。


 現代は環境問題がクローズアップされてはいるが、CO2削減のための環境にや

 さしい電化製品や自動車が発売されている。確かに良い傾向ではあるが、食べ過

 ぎの腹痛に胃腸薬を飲んで、また食べ続けているようなもので、本当に必要なも

 のを必要なだけ食べることが大切であるように、昔のような山林や農地での人間

 の活動が必要なのだ。しかし、林家、農家の高齢化は著しく進み、先ごろ発表さ

 れた記事では、県内のある過疎の村では高齢化率が50%を超えた。(2人に1人以

 上の割合で65歳以上の方がいるということ。)これでは昔のようにはいかない。



 ではどうすれば良いのか。よく考え読んで欲しいが、今まで田舎でのそういった

 活動を通して都市部でも恩恵を受けてきた、ということだ。近くの川で洪水が起

 こらなかったのは、上流での森林や農地での活動があったからなのだ。それをな

 くせば、いつ災害が起きないとは保証はない。日本の全てをダムやスーパー堤防

 で災害から守るなんていうことはできない。今こそ農林業を見つめなおす良い機

 会であると思う。

 
 私は、「日本の国土は皆のもの」という考え方を持つとき、それぞれが自然から

 恩恵を受け生活しているのだから、それぞれがその役割を果たすべきだと考える。

 「農地や山林は社会共通の資本」だと。

                                  つづく





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Last updated  May 19, 2007 11:47:58 PM
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