カテゴリ:信仰
録画しておいた「森鴎外の恋人」を見ました。
今では研究が進んで恋人が特定できていたんですね。 手がかりになったのが鴎外のイニシアルをモチーフにした刺繍用の型紙モノグラムでした。 特定のきっかけが、型紙に興味を持ったドラマのディレクターだったこともおもしろかった。なぞの模様を解読し女性のイニシアルをあてていたんですね。 さらに複数の研究者によって、恋人が年若い良家の子女であったことがわかります。父親がカトリックで母親がプロテスタント。当時は珍しいケースの結婚で生まれたということにも触れていました。 120年以上前に、15歳のお嬢さんが恋人の愛だけを頼みに、はるか東洋の国を目指し一人で船に乗り込むなんて・・・。 結婚を実現させようとしていた鴎外。周囲の猛反対にあい、会うこともままならずドイツに帰されることになる恋人。 残されたモノグラムと緑の繻子に金糸の刺繍のハンカチ入れ。(鴎外の部屋においてあったことを妹や子供たちが証言しています。再現されたハンカチ入れ、上品ですてきでした) 鴎外は恋人からの手紙などを一切燃やしてしまったそうですが、そのハンカチ入れも灰になってしまったのでしょうか。 恋人は後に結婚しました。お孫さん二人へのインタビューも。おばあさんと日本とのかかわりはまったく知らなかったとのこと。 (そうですよね。文学に昇華された世紀の悲恋であっても、本人から家族に語られることなんてないでしょう。そして、お孫さんにはお孫さんのおばあさん像があり、人生があったんですもんね) 晩年、鴎外は「トリスタンとイゾルデ」(古典的悲恋のオペラ)の一節を口ずさんでいたのだそうです。 なんだか、しんみりしてしまいました。 かなえられなかった想い。 向田邦子の「あ・うん」だったかなあ。若い娘さんが「かなえられなかった想いはいったいどこにいってしまうの」というようなことを言う場面があったけど、悲恋を読んだり見たりするたびにそれを思い出すなあ。恋愛に限らず、すれ違う想いや、届かない思いにも。(そういう想い、神様はすくいあげてくださるんだろうか) いいドキュメンタリーでした。再放送しないかな。 ----- さて、今日は2月6日。アメリカの教会では聖パウロ三木と仲間たちの記念日になっています。日本では2月5日が日本26聖人を記念する日なっているんですよね。 カトリック司祭、修道士、修道女の毎日のお勤め、「聖務日課/教会の祈り」の、今日の箇所には、短いパウロ三木の紹介文と殉教者たちを記念した祈りが書かれています。聖務日課を使う世界中の人たちが、日本の聖人たちを覚え、祈る日です。私も日本人の一信者として、心をこめてお祈りします。 May their prayers give us the courage to be loyal. 2月3日は高山右近忌でもあります。2月は日本キリスト者の先達を思う月です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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