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(会員制)Shahryarの酒と美女の日々

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Sep 28, 2009
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カテゴリ:映画・TV
序盤アウトライン:
1985年ソ連。シベリアの対空防衛基地に一機の英国旅客機が緊急着陸する。4名の死者を含む多数の死傷者の中には、ツアー最終地の日本を目指していたロシア人のダンサー、ニコライの姿もあった。8年前、米国に亡命したニコライは、被告人不在のまま15年の懲役刑を言い渡されていた犯罪人として身柄を確保されるが、人道的見地から西側の窮地を救ったソ連に対する好意的世論が高まる中、ニコライの容態を重体と偽るソ連の対応にも米国当局は成す術がない状態だった。やがて、罪を帳消しにするには母国でのキャリア再開と云う交換条件をKGBの大佐チャイコから提示されたニコライだったが、そんな彼の当面の滞在先として通された場所は、ベトナムでの対外政策に不信を募らせソ連に亡命したと云う米国人のタップダンサー、レイモンドとロシア人の妻ダーリャの家だったーー
メモ:
米国に亡命した著名なロシア人ダンサー・ニコライ(ミハイル・バリシニコフ)が、搭乗する旅客機の突発的なアクシデントによって願わざる形で帰国、間もなくして囚われの身となる中、ソ連に亡命していた米国人タップダンサーのレイモンド(グレゴリー・ハインズ)とその妻ターリャと共に、彼らを使い捨ての政治の道具と考える冷酷なKGB大佐チャイコの下から決死の脱出を試みると云う物語だが、フランス人の振付師ローラン・プティが創作したモダンバレエ「若者と死」で幕を開ける冒頭シークエンスからクライマックスまで、その芸術性と緊張感の昇華する切れのある映像は約140分と云う上映時間にも瞬く間と云った印象。映像作家としても知られるイエジー・スコリモフスキーも傑出したパフォーマンスを披露。
組織的に才能を発掘し政治利用出来る限り重用すると云う体質の下、芸術家の自殺率も世界一だったと云う当時のロシア(ソ連)ではエゴイズムやナルシズムの象徴とされていたモダンバレエは禁じられていた訳だが、実は、バリシニコフが亡命をしてまで踊りたかったと云う作品こそが、冒頭で披露されるプティの「若者と死」だったと云う。バリシニコフのバイオグラフィー的な作品と考える方々も少なくなかったと云う本作だが、バリシニコフにとっては縁も深いその「若者と死」で幕を開ける冒頭シークエンスだけでも永久保存版の価値があると云えるもので、通常のミュージカルやドキュメントで見受けられる画一的なショットは回避し、全身像を捉えながらカメラを移動、躍動感を表現する為に意図的なカットも挿入された映像は、現実に臨場感にも満ち溢れた素晴らしいものである。

以上
ホワイトナイツ 白夜 (1985) White Nights
より
はっきりいって映画の出来としては???です。
なんといってもストーリーが???、白夜の自然現象を取り上げたわけでもなく、米ソ冷戦をテーマにした社会派の映画としてもイマイチ・・・、ただ冷戦時代の1985年の映画で、これだけ当時のソ連の街並みのシーン使われているのは貴重です。

ただ、主役のソ連出身の亡命経験のある米バレエダンサーのミハイル・バリシニコフと黒人エンターテーナーのグレゴリー・ハインズの二人の繰り出すダンスシーンは最高、このダンスシーンだけでお釣りが十分くるほどの見る価値はあります。
そしてなんといっても音楽、この映画や二人のダンサーは知らなくても、このサウンドトラックまたは、収録曲は知っているという人は多いと思います。
自分もまだ洋楽を聴き始めた中学生でありながら、凄いアルバムということは解っていましたし、好んで聴いていました。

(参考資料)
@TOWER.JP - Original Soundtrack - White Nights

Separate Lives (Love Theme From White Nights)
- Phil Collins & Marilyn Martin / composed by Stephen Bishop

セパレート・ライヴス フィル・コリンズ&マリリン・マーティン
あのフィル・コリンズの有名な曲、マリリン・マーティンは今何処・・・

Prove Me Wrong - David Pack

Far Post - Robert Plant

People On A String - Roberta Flack

This Is Your Day - Nile Rodgers

Snake Charmer - John Haitt

The Other Side Of The World - Chaka Khan
レニングラードの風景に流れる、チャカ・カーンの歌声がベストマッチ
実際は社会主義国に黒人女性のソウルなんて凄い事なんですけどね・・・

My Love Is Chemical - Lou Reed

Tap Dance - David Foster
あのデイヴィッド・フォスターが創った曲でグレゴリー・ハインズのタップの音がソロをとっている異色の曲、凄いという言葉につきます。
ハインズ扮するレイモンドが稽古場で一人黙々とタップを踏むシーンで流れています、ラジカセを置いた長椅子でもタップを踏むという凄い技を見せてくれています。

People Have Got To Move - Jenny Burton

Say You, Say Me - Lionel Richie
ライオネル・リッチーの「セイ・ユー・セイ・ミー」
名曲ですが、なぜかこのサウンドトラックには入っていません。


White Nights - The dance
さて、上記の「White Nights - The dance」と名づけられたyoutubeの動画は、映画の中でミハイル・バリシニコフとグレゴリー・ハインズがペアでダンスを踊っているシーンです。
このシーンも含めて映画の中のミハイル・バリシニコフのバレエダンスは、まさにNO.1のダンス、洗練され研究された末の究極の100%完成したバレエダンスはこれだと言わんばかりの舞、素人目にも凄い事をやっているのが強烈に伝わってくる。
片や、グレゴリー・ハインズのダンスは、まさにオンリーワン、ミハイル・バリシニコフと並べると、一見少し振り付けが大きく、また少し雑にも見えるが、これこそが彼が枠にとらわれず全身全霊で自分自身の想いというものをダンスに込めている証、彼の想いが強烈に伝わってくる。
この二人の違い、音楽でいえば楽譜どおりのクラシックに対して、楽譜なんて存在しない土着の民族音楽、そんな相反する二つが見事にコラボしているところにこのシーンとこの二人の素晴らしさがある。
今のフィギュアスケートで言えば、ミハイル・バリシニコフがキム・ヨナちゃんでグレゴリー・ハインズが我が舞姫、そう例えればぴったりだ。
少し前だと、ミッシェル・クアンさんとイリーナ・スルツカヤさんだろう。
それにしてもミキヨナのコラボ、是非魅てみたいものですね!!!!!!!

そのグレゴリー・ハインズのオンリーワンのタップダンス、その原点とも言える素晴らしいシーンがこの映画である。
残念で腹立たしいが、youtubeの動画ではそのシーンの一番衝撃な部分で割れている。
YouTube - Noches de Sol (White Nights) - Parte 4-14(8:30頃からそのタップシーン)
YouTube - Noches de Sol (White Nights) - Parte 5-14

このシーンはグレゴリー・ハインズ扮する、ソ連に亡命した黒人タップダンサー、レイモンドが自分の半生をタップを踏みながら語っている
「子供の頃は、人気タップダンサーだった、キュートで懸命、それがウケた、しかし大人になると事情が変わった、本来金持ちや白人はタップはお嫌いだ、たちまち出番は無くなり無職同然、しかしママは毎年のように今年こそツクよと慰めてくれる、その通り黒人街の全ての若者にお声がかかった、(ベトナム戦争の)徴兵だ、ママがんばるよ勉強して立派な通信兵になる、祖国を共産主義から守る、しかし誰も人殺しが仕事とは教えてくれなかった、(軍隊は)女を犯し大勢を傷つけ物を奪い盗んだ、この殺し屋集団がアメリカなのか?!虫けらのように扱われ金持ちは私腹を肥やす、心の声が聞こえた、(気づいたらソ連に(脱走兵として)亡命していた)、アメリカが何だ」
内容はともかく、タップを踏む事で自分の想いを、つまり自分自身を表現している、悲しみ、怒り、苦しみ、絶望、自分の弱さ、そう言ったものを見事に表現している。
もちろん、グレゴリー・ハインズという人の人柄、そして素晴らしいタップの才能がなせる技ではあるが、そもそもはタップとはそういうものではないのか!!!
南米の貧しいスラム街でサッカーが唯一の娯楽のように、黒人街ではタップやブルース、ジャズというものは唯一の娯楽、生活に染み付いた正に土着なのだろう。
恵まれた環境での競争の世界のNO.1ではなく、食べていく為、苦しい生活を抜け出すための自分の存在価値を示すオンリーワンなのだろう。
先ほど、舞姫とイリーナ・スルツカヤさんの舞は、グレゴリー・ハインズのオンリーワンのダンスに匹敵すると書きました。
イリーナさんの舞、それは正に「That's life(それが人生)」の言葉が示すとおりオンリーワン、彼女自身そのものだ。
「STAY GOLD」と「I BELIEVE」という言葉、そしてその原点となる感謝という愛、それらが示すとおり舞姫のフィギュアスケートもオンリーワン、彼女自身そのものだ。
競技会での成績はともかく、この二人ほどオンリーワンのフィギュアスケートの舞で自分自身を表現出来るスケーターはいないと言ってもおかしくは無い。

オンリーワン、つまり自身そのものを表現したエンタメ、それはLIVEでありLIFEだ。

LIVEでありLIFE、つまり二度と出来ない、そして誰も真似出来ないエンタメ。

タップも舞姫のフィギュアスケートも大好きだからあえて言おう。

このコラボ、どちらかがどちらかに調子を合わせた時にオンリーワンの魅力を失ってしまうと。

ジャズもフィギュアスケートも大好きだからあえて言おう。

「TAKE FIVE」のドラムソロのようなアドリブの演奏と、自身の心を表現するようなフィギュアスケートの舞とのコラボはオンリーワンの魅力を失ってしまうと

感覚的なことなので上手く言えませんが、舞姫のEXの「ノイズ & ファンク」、お互いにオンリーワンを大事にするタップ音楽、しいては黒人文化と舞姫との組み合わせは素晴らしい絶妙の組み合わせ、本当に心から嬉しいですし実際に選曲は良いと思います。
しかし、実際のタップ音と舞姫との組み合わせはいきすぎ、関心しません。
(しかしこれは舞姫が悪いのでは無く、このEXの振付師の方向性が間違っていると思います。間違っても舞姫本人への批判ではありません。)


少し、嫌な話になりましたが、最後にこの映画での素晴らしいグレゴリー・ハインズのダンスのyoutubeの動画を貼って置きます。
YouTube - gregory hines




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Last updated  Oct 1, 2009 08:19:16 PM
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