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(会員制)Shahryarの酒と美女の日々

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Oct 26, 2009
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ロシアでの話の前に「真冬の挑戦者~バンクーバーへの道」をしておきましょう。

いや、ロシアの演技よりも、あの番組で魅せた今の練習風景が、今の舞姫のすべてなのかもしれない

「show me your emotion」と叫んでいたニコライコーチに対して以前は泣いていた少女が、そのニコライに、いやフィギュアそのものに自分の全て「emotion」をぶつけていく
それは感情的なハッタリでの逆ギレではなく、辛く悲しい経験という事実に裏づけされた謙虚な心での自分自身の考え
「ひとつひとつポンポンととるんではなくて、トータル的に どう魅せるか、どう滑るか、自分がどうありたいか」

これこそ疑うよ、「ありえない」って!!!
20そこそこ女の子、そんな中でもませた姉ちゃんや、生意気なガキはいるもの
しかし、自分の体験から「どう魅せるか、どう滑るか、自分がどうありたいか」そういうこと自問自答し、その答えを周りに主張していく
おませ、生意気、そんな言葉をはるかに超えた、大人として成熟したプロフェッショナルな姿
もちろんファンなので舞姫の半生はある程度知っている、普通の女の子の辿る道とは、はるかに異なった、心身を涙だらけ、傷だらけ、血だらけにした茨の道を乗り越えてきたことも十分承知している。
でも「ありえない」って!、ここまでプロとしての自分自身をきちんと持った20そこそこの若者って!!!

いや、いることはいるだろうが、自分が知る限り、今の世界ではダルビュシュやハミルトンのようなほんの僅かな人間だけ・・・
もちろん、ダルビュシュは国籍の問題、ハミルトンは黒人であること、そしてレースで障害を負った弟の存在、そういった苦難が彼らの素晴らしいプロ魂を裏付けている。
ただ、彼らは完全に歳の違う大人と闘っている、背伸びをしないと気合負けをしてしまう。
その反面、同じ世代で競う女子フィギュアではそんな背伸びをする必要はない。
そんなスケーターは「ありえない」って、いやそこまでの成長をさせる要因など、この業界には「ありえない」って

でも舞姫は言い切る
「今の自分にたどり着いたのは、トリノオリンピックがあったから、自分がどうして行くべきか、どうあるべきかが一番変わった」
トリノオリンピックをはじめ、全ての苦難が今の魅力ある舞姫を創っている、そして舞姫自身それをよく自覚している。
「運が無い」ことはない、確かにスケートの神様は酷い神様だが、間違いなく舞姫はスケートの神様に愛されているのだろう。

度々アニメ「ヤマト」の話で恐縮だが、その登場人物のセリフにこういう言葉がある
「 (水の回遊惑星)アクエリアスはかつて地球に(水という)命と恵みを与えました。
でも恵みばかりではありません、その後もアクエリアスはしばしば回遊し(大雨などの)気象異変の原因となり、生物を絶滅させて、人類がせっかく築いた文明を洪水で押し流したりしました。(ノアの箱舟の神話など)
それでも生物はその試練を乗り越えて進化を繰り返し 人類はより高い文明を発展させてきました。
アクエリアスが与えた試練に打ち勝ったもののみが未来を勝ち取ったのです。

試練もまた恵みであり愛なのです、愛とは決して優しく甘美なものばかりではありません、辛く苦しく恐ろしいものであることの方が多いのです。

人はそれと戦わなければなりません、勇気をもって試練に立ち向かってください。」


ここでロシア杯の話をしよう
「NHK杯」「次の試合」
舞姫が優勝を決めた後、何度彼女はこの言葉を口にしただろうか!!!
「成績」よりも「内容」という、自分自身を出し切れなかった悔しさ、歯がゆさ
SPの後でもこう話す
「原因は、自信が持てずジャンプを怖がって、スピードがなかったこと」
これは、練習の大切さを知っている人の言葉
練習の大切さを知っている人はきちんと練習したという自覚があれば不安にはならない
その自覚がないからこそ、自信が持てず怖がりもする
そんな中でSP、FS両演技とも演技直後に不完全燃焼感で首を傾げた
しかし不本意な中でもその想いを隠して、笑顔を絶やさず、リンクに一礼をし、キスクラでファンサービスに努めた姿を見せた

「練習不足」「演技内容」という事実を認め、しかしその事実が自分だけのものではないことを知っている舞姫
あそこで、そのまま不本意な顔をしたままでは、多くの自分を支える人を心配させ、その支えを台無しにすることを、舞姫は心身を涙だらけ、傷だらけ、血だらけにした茨の道の中でしっかりと学んでいる、感謝することの大切さを!!!

話はそれるが、実はトリノシーズンのファイナルまで自分は才女のファンだった。
妖精のようにふわふわと、まさに次男次女だなと実感させる自由気ままな舞に魅了されていた。
しかしフィギュアスケートを好む自分にとって、才女の舞を世界一と順位付けするには抵抗があった・・・
まして、才女以上のファンであった「THAT'S LIFE」のイリーナさんの魂の舞を超えているとは到底認めることは出来なかった、
フィギュアスケートで世界一とはこういうことを言うのか・・・
その世界一の称号が、才女のファンであることを止めさせた、いやあのイリーナさんの魂の舞を超えたという事実を、才女は氷上のアーティストではなく天才アスリート、そう説明つけることで受け入れていた。
その気持ちは今でも変わらないし、このロシア杯でその気持ちはさらに強くもなっている。

連戦が疲れていないはずがない、昔と違って、もう大人の体つきに変化しているのだから・・・
試合地の移動だって、気候、時差など色んなことが影響してくるし、何といっても、人はキャリアを積む毎に考え込むようになるもの、それが精神的負担を呼び、身体的な負担にも連鎖する。
ジャンプの状態も良いはずが無い、舞姫が自身のルッツの不調をジャンプは不完全としているように、アクセルよりもフリップの不調が才女のジャンプの不調を証明している
それを知ってか、知らずか、認めない、認めれない才女は、氷上のアーティストとしては、まだまだまだ精神的に未熟
そしてなんと言っても演技直後の姿勢、これも舞姫と比較することで、自分の言わんとすることを察して欲しい。
これは今回の才女に限ったことではない
いい例がイリーナさん、ジャッジがどうあれ、ソルトレイク五輪とトリノ五輪とでは全く心構えや態度が違うし、だからこそ芸術性も天と地ほどの差がある
自分の好きなキンバリーちゃんでさえ、その姿で精神的スランプかどうか一目で解る。
人に感動を与える芸術とは、そういうものだ

しかし、今回の才女を見て、いつか昔のような大ファンに戻れるかもと期待もしている。
これまでもそんな気持ちに近いことはあったが、ここまで明確に思えるのは初めてだ。
なぜなら、才女は今、人として、フィギュアスケーターとして、凄い貴重な経験をしている。
まさに舞姫がトリノが分岐点と位置づけたように、才女にとって今が大きな分岐点だろう。
アクセルやプログラムがどうのこうのという、タラソワさんの戦略の問題では全く無い。
「どう魅せるか、どう滑るか、自分がどうありたいか」
そう自問自答する最高のチャンスなのだ。
そんな中で事実を認める大切さと、感謝することの大切さを学び、手に入れるに違いない。
まさに「試練もまた恵みであり愛」であり、今こそ才女がスケートの神様に愛されていると言えるのではないだろうか!!!

そもそも、荒川静香しーちゃんもトリノ五輪の前のシーズンは不調、トリノ五輪のシーズンのグランプリシリーズもイマイチ、選考会である全日本でも一位ではないし・・・
そしてトリノ五輪のシーズンの舞姫と比較すれば、同じ事は多い
GP連戦も同じなら、二戦目は台を逃している、
四回転が注目はされていたが、不調の舞姫の象徴は3-3ルッツループが決まらなかったこと、
何より体調の異変(舞姫の場合は怪我)にしっかりと心から対峙しておらず、それが演技にも影響していた
舞姫は、そのことが五輪本番でのスタミナ不足という結末をむかえたが、才女はこれからどうなるか?!
まさに才女にも、舞姫を成長させたような「その時」が来たのであろう


話を舞姫のことに戻そう
ロシアでの明細な競技内容、舞姫が満足の演技と位置づけてない以上、あれこれ言うまい・・・
まして、合計点は去年のスケートアメリカの2位の友加里姉さんより低いのだから・・・
ただ、キャノンボールスピンが一度とはいえL4に認定されたのは収穫だ!
もっとも欲を言えば、昨シーズンに完成させたかった技だが・・・
そしてNHK杯、ここは四位でもいい
ならば!!!
3-3は当然のこと、是非、四回転にトライして周りにプレッシャーを与えて欲しい
もちろん、五輪本番で無理に跳ぶことは無い
必殺技とは出さなくても、「必殺技を出されたらと?!」いう周りにプレッシャーを与えることで威力は十二分に発揮できる。
だからこそ、どこかで「五輪では、四回転を跳ぶ可能性は十分あるぞ」という強烈なアピールをしておきたい、NHK杯は絶好の機会ではないか!!!
例えば、百戦錬磨のタラソワさん、これで五輪だけ才女のアクセルの回数を減らし金をとったら、フィギュア史上、有数の策士として歴史に残るだろう。
それ位、成功すれば見事と言える壮大な作戦を展開していると自分は思う。
成功しても失敗してもどちらでも良いので、NHK杯で四回転のトライを期待したい


そして、本当は今の舞姫に、感動からきた心からの「優勝おめでとう!」と言いたい、しかしその言葉はあえて来春の桜の花びらと一緒に届けよう
そして、もう一言「お帰りなさい」と言ってあげたい、しかしこれも五輪内定までは・・・
その時には、もっと大きな「おめでとう」と「お帰りなさい」そして「お疲れ様」であると信じたい
いや、そんな世界の頂点を競えるプロフェッショナルな心にまで成長した舞姫だから、自信を持って、祝うこと、労うことを保留にできます!!!

舞姫が、以下の二つの写真の比較で舞姫の成長を実感出来る。
上の写真、撮られた当時は凄い感動をしたが、あくまで「これから頑張るから、力をかして」という少女の心
下の写真、今の舞姫の心は「今まで頑張ってきたミキの集大成、しっかりと見ていて欲しい」
大人として成熟した舞姫は、これから最後の試練に立ち向う





氷上のレクイエム、瞳に映る現実の演技が、記憶に残る永遠の演技へ





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Last updated  Oct 29, 2009 09:19:58 PM
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