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Mar 25, 2007
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カテゴリ:日本代表
ペルー戦では、今までと何ら進歩が無いとされた俊輔について書こう。

今日はサッカーダイジェストの発売日。勿論、マガジンも必見だが、ダイジェストにはJFLの顔写真入名鑑があったのですかさず購入。

なので、本来は、JFLについて書こうと思ったのだが、杉山茂樹氏の俊輔についてのコラムに引っかかった(苦笑)

タイトルは、『安易な俊輔賛美はいただけない』というもの。

内容は、1分で読める程度の文章だから、読んでもらいたい。一応、簡単に説明すると、ペルー戦は可能性を感じない試合だとし、俊輔は良くなかったということ。アシストは魅惑的としつつも、チームが俊輔に合わせるサッカーはモダンではないと一刀両断。

俺は何度も言うまでも無く俊輔が大好きなので、俊輔について否定的な意見にはとかく直情的に反応しがちな傾向(いや、反応しているよねw)にあるのだが、このコラムに反論すべき点もあれど、同感出来る部分もあるなと。

それは以下のような点。

1、セルティックというチームは俊輔のリズムに合わせている訳ではない。

2、サッカーは一人でやる競技ではない。

3、CL決勝トーナメント1回戦のミラン戦ではチームの試合のリズムに乗れなかった。


実際、セルティックは俊輔は攻撃における重要なファクターではあるが彼を中心にしたチームではないと俺も思う。勿論、俊輔がいなければ前線でボールキープする時間は減るし、展開も小さくはなる。セルティックの場合はペルー戦と同じ4-4-2ではなく中盤をフラットにした4枚で構成されている。そして、左サイドにはマクギーディというドリブラータイプを配している。攻撃の生命線はセンターの1枚、グラベセンなりハートリーが上がる事と縦をつくマクギーディの存在も武器なのである。右の俊輔がボールをキープし、空いた左サイドのマクギーディ、左SBのネイラーのオーバーラップを導く攻撃パターンが作られ(これはペルー戦で見られた)、また右SBのオーバーラップも利用でき(これは左により過ぎたため出来なかった)、攻撃パターンは増え、相手の対応は当然難しくなる訳だ。

こういった事をオシムはわかっていつつ、指示していなかったのであれば、俊輔は自ら感じ考えるべき。考えるサッカーとあれ程までに情報が出回っているのに知らなかったでは、代表でのスタメンは厳しいものになってしまう事を自覚してもらいたい。しかし、遠藤と憲剛、そして俊輔が並んだ3枚はみな足下でボールをもらいパスを出したい選手である。ヒデと満男か小野。そして俊輔が並んだジーコ時代と同じようになるのは明白だった。では、何故そういった並べ方をしたのか。オシムに対する疑問よりも俊輔に対し、辛辣な意見を見聞きする方が多いのが現状で、誰もかれもジーコ時代のように監督の采配に触れない。オシムの知性は素晴らしく名将だと思ってはいるが、ただ、それに右習えでは、オシムの言うサッカーファンの成長は望めないと思うのだが。

話を元に戻せば、憲剛はパスを出した後の動きの良さがオシムに気に入られているようだが、俊輔はそれ程でもない。ただ、高原が右に開いてクロスを送ったシーンで、ゴール前にスライディングでシュートに行ったのは俊輔である。やってない訳ではない。確かに、彼が作り出すタメが不要と思われる場面でも、技術を披露するかのようにタッチ数を増やし、チームのスピード感を遅らせてしまうのは、昔から言われているダメな点なのは俊輔ファンである俺もわかっている事だが、それも状況によるものと考えられる場面もあるだろう。オシムは、水野、家長、藤本を投入させた時間帯を日本代表が目指すべき方向性といったが、そういったサッカーは俺も好きだし、是非やっていって欲しいと思っている。ただ、オシム自身、そういったサッカーを90分続けるのもまた難しいと言っており、そういった落ち着くべきときに落ち着かせられる選手の意義というものはあると考えられる。それこそがチームスポーツであるサッカーの深さでは無いだろうか。勿論、そういった落ち着かせる選手がDFラインでもボランチにでもいるのならば事欠かないという考え方もあり、俊輔をそこまでして起用する意義はあるのかと問われると答えに窮する面も少なからずはあるのだが(苦笑)

ただ、サッカーはチームスポーツといえど、個の質が結果に大きく左右するからこそ、技術が高く経験の豊富な選手の価値は大きい。テュラムやマルディーニは何歳でW杯に出たのだろう。ベテランは2010年に消えていると端的に言うのなら、Jにおいて年々消えていく若手の数を考えて欲しい。今、期待の若手が期待通りに伸びるのも、また未知数なのである。オシムの目指す特定の選手に頼るサッカーではなく、チームとしてパターンを増やすサッカーこそが大事であって、それを具現化できる選手こそが必要だと思うのだが。ジェフが魅力的なサッカーで成績を上げたのに時間がかかった事を代表チームに合流したばかりですぐに魅せてくれというのは酷ではないだろうか。俊輔が大きくメディアに取り上げられ、スターとしての存在感があったとしても、それはメディアが華を作っているだけに過ぎず、俊輔も憲剛も家長も水野も阿部も藤本もトゥーリオもアレックスも十分スターと呼べる資質と華を持っていると俺は思う。しかしながら、こうしてスターの扱いで取り上げられているのは、ヒデ亡き後は、俊輔だけである。ヒデがうずくまり、引退した潔さに目を塞がれ、W杯で通らないフィードを繰り返し、俊輔と同様結果を出せなかった事を忘れてはいけない。

そして、CL決勝トーナメント。確かにグループリーグでは、FKでマンUを撃破し、決勝T進出に直接的に関わったのが俊輔であり、ファンとして、これ程最高のサッカーシーンは他に無い。しかしながら、流れの中では守備に時間を割かれ、やはり欧州の他リーグに比べ実力はやや劣るSPLと同じプレーが見せた訳ではない。ミラン戦でも珍しくドリブル突破を魅せていたが、決して終始自分のプレーが出来た訳でもない。世界という舞台で見れば、俊輔は技術の高く、FKという武器を持った選手の一人であるだけだ。それに対し、日本のサッカーファンは一体何を望んでいたのだろうか!?それが疑問である。俊輔がFKを決めていれば、最高!!それだけなのか。違うと俺は思う。それでは特定の選手に頼ったサッカーではないか。技術が高いのは元々。プラスアルファである動きの質(ペルー戦では自由に振舞いすぎたけど・・・)をもっと見て欲しいと思うし、ペルー戦に関して言えば、運動量を示そうとポリバレントを示そうと、俊輔は気負って攻守に動き回り過ぎた。これも過剰なまでのメディアによるスターとして扱いによる影響と考えられるし、もっと他の選手も俊輔を凌駕するんだという勢いや自負を示して欲しいし、ピッチの上でなら俊輔にもっとシンプルにやれと怒鳴る選手がいたっていい。啓太やトゥーリオはそういう面に優れていると思うし、次こそどんどん俊輔を使うプレーをして欲しい。俊輔に気を使った遠慮したプレーは無用だし、対等に、またヒデのようにチームで浮く事無く、オシムの、いや日本代表の目指す意思統一の図られたサッカーを築き上げて欲しい。

民主主義国家日本で、沢山の意見がある内の一つでしかないw俺の意見だが、オシムのサッカーを理解した俊輔は日本代表にとって重要だと思う。もっと言えば、それは俊輔だけではなく、松井もそうだし、アレックス、中田浩二、高原、そして家長ら若手にも当てはまること。そういうオシムのサッカーにオシム自身が俊輔を導いてくれる事を大きく期待したいし、俊輔にもそういった戦術理解を求めて行きたい。


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Last updated  Mar 27, 2007 11:38:20 PM
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