テーマ:サッカーあれこれ(20049)
カテゴリ:Confede
酒も飲まずにこれだけ興奮させてくれるとは♪ エジプトは元々クラブW杯のアルアハリとアフリカネーションズカップで大好きになったチーム。 それだけにこの試合ではエジプトがブラジルに何処まで通用するのかといった所が楽しみだと思っていた。 しかし、W杯予選で苦しむエジプトは世界を驚かせる素晴らしい戦いを披露した。 勝利こそかなわなかったとはいえ、南米王者、世界最高峰レベルを誇るブラジル相手に後一歩だった事を考えれば、彼らのプレーは最高だったと賞賛すべきだろう。 試合の流れを追ってみる。 先ずは開始2分。あっさりとカカがゴールした事でやはり実力差は大き過ぎるのかと思わせられた。ハニ・サイードはカカを抑えきれず、バウンドするボールの動きを見誤ってクリアし損ねたゴマの致命的なミスが原因の失点だったが、それを見逃さず抜け出し決めたカカはやはり素晴らしい。 しかし、9分にはエジプト。アーメド・ファティのパスから右サイドをアブトレイカが抜け出して、正確なクロス。モハメド・ジダンも良くコースを見切って走り込み豪快なヘディングゴール。ダニエウ・アウベスも絞って対応したが、ボールウォッチャーにならざるを得ない状況では止めるのは難しいだろう。 このゴールでブラジルは火がついたのか、攻勢を強め、3分後には勝ち越し。右サイドで得たFK。エラーノのキックからルイス・ファビアーノがバックヘッドで流して、ゴール。相手をルーズにしていてはブラジルから無失点というのは有り得ない。そして、37分にも、セットプレーでまたもゴールを奪ったブラジル。右CKエラーノのキックをフアンがヘッドで決めてゴール。またしても、人はいながらも競りに行けていないのが問題。 エジプトはW杯予選2試合終えて最下位だが、こういったセットプレーでの守備に大きな課題があるのだろう。比較的背が低い選手の多い事も少なからず関係しているのだろう。それでも攻撃面ではシンプルなパス交換とサイドアタックでチャンスもあった。攻撃的なブラジルのサイドの裏を突くという攻撃で後半に可能性を残した。 とにかく、これで前半は3-1でブラジルがリード。このまま後半も無難に戦えるとドゥンガも安心していただろう。 しかし、後半ゲームは大きく動いた。 50分。長短の正確なパスでゲームを作るキャプテン アーメド・ハッサンを下げて、アーメド・エイドを投入。 アーメド・ハッサンは中盤からゲームを作る重要な存在だと思っていただけに、シェハタ監督は、もう諦めたのかと思っていた。しかし、その考えは誤りだった。彼が右ウイング、アブトレイカが左に入って、サイドバックを押し上げた、3-4-3という攻撃的なシステムにシフトチェンジ。 これが功を奏した。 アーメド・エイドは10番を背負っていたし、見た事の無い選手だっただけに注目していたが、緩急のあるドリブルで相手をかわすは、トリッキーなパスとボールキープも出来るファンタジスタタイプ。アブトレイカもエジプトの攻撃を司るファンタジスタだが、まさかこんな隠し球があったとは!!! このアーメド・エイドのボールキープからクレーベルの守る左サイドを完全攻略。左前はロビーニョという事もあってクレーベルはかなりの苦戦。怒涛の攻撃が生まれ、それがゴールにつながった。 54分はアーメド・エイドが作った勢いのまま左サイドからアブトレイカ、サイード・モアワドの連携からマイナスに戻した所をシャウキが狙い済ましたシュート!!これがゴール右隅に突き刺さってゴール!!!ブラジルは完全に右サイドを崩された。そして、ここぞとばかりに前線に人数をかけたエジプトはボランチのシャウキのゴールで1点差に。 更に、1分後。ミスが目立ち始めたブラジルに対して、激しいプレスからボールを奪うとショートカウンターでアブトレイカがモハメド・ジダンにスルーパス。ライン裏に抜け出たジダンが左足でニアをついてゴール!!!ジダンは本日2ゴール目。 この後も、エジプトの猛攻は継続。 前半の借りを返すとばかりの激しいプレスで球際にも強く、ブラジルは徐々にボールを前線に運べない時間帯すら見られた。特に、DF,MFにパスミスが目立ち、これがあの世界最強クラスのブラジルかという体たらく。 ドゥンガはたまらず、2アシストのエラーノとほとんど輝けなかったロビーニョを下げて、ラミレス、パトが入れてシステムを4-2-2-2にチェンジ。 ラミレスは初めて見たが、特段の印象は無く、攻撃に変化はつけられず。それはパトも同様。チームのリズムが悪いときに何かを覆すほどまでの力はまだ持ち得ていないのだろう。ただ、徐々にエジプトの勢いも弱まった事もあり、パトが右から中央に切れ込んでシュートなどブラジルも少しずつリズムを取り戻した。 ただ、シェハタ監督がここで動いた。75分、ホスニを下げ、アルムハマディを投入するがこれがまたエジプトの攻撃を活性化。この選手は右WBに入り、アーメド・ファティはボランチに移動し、3-4-2-1のようなシステムに。このアルムハマディが再三、クレーベルを突破。そのスピードと加速力を活かしたドリブルは魅力。まだこんな隠し球があったのかと更に驚き!! エジプトはアフリカの中でもリーグのレベルが高いからか、欧州に出ている選手が少ない傾向にあり、なかなか代表常連で無いと見る機会は少ないが、本当にレベルが上がっていると痛感。また、シェハタ監督のゲームを観る目と判断は素晴らしい。 右からはアルムハマディとアーメド・エイドが、左からはサイード・モアワドとアブトレイカが攻略するサイド攻撃はかなり魅力的♪ ここまで来て、もうエジプトのゴールを、そして勝利を祈っていたが、最後の最後に落とし穴が。 押し込まれて後半は守備一辺倒だったダニエウ・アウベスが右サイドを突破。倒されて得た右サイドからのFK。またしても、セットプレーでの弱さがエジプトの仇となった。ファーで張っていたルッシオがどフリーでシュート!! これを、短い時間ながらも攻撃で存在感を発揮していたアルムハマディが痛恨のハンドでブロック。ビデオでも間違いの無いハンドであり、ハンドさえなければ決まっていたシーン。 主審のジャッジも一発レッド&PK。 これをカカがきっちりと決めて、ブラジルはアディショナルタイムにようやく勝ち越し。PKでなくともゴールになっていただろうとは思うが、それでも余りにもブラジルは苦戦し過ぎた。 試合最後にはアーメド・エイドが右からカットインしての強烈左シュートを放ち、ジュリオ・セザールもキャッチ出来ず、ルッシオが必死のクリアを見せていたが、この必死さこそがまさにブラジルの苦闘ぶりを現していただろう。残り時間も少なくブラジルは何とか勝利こそ得た。 しかし、勝ったとはいえ、このスコア、この内容ではドゥンガは相当な批判にあう事は間違い無い。負けていれば即座に退任という勢いがブラジル国内にはあるだろう。メンバーを見ても、かつての誰もがヨーロッパで活躍している有名選手で無い事も一サッカーファンとしてブラジルの凋落を感じつつもあったが、カカ以外で相手に脅威を与えた選手もいないのは寂しくもあり。期待のロビーニョもドリブル突破は全く見られずじまい・・・。イタリアとの一戦ではどうなる事だろうか。弱いブラジルとまでは言わないが強さと恐ろしさを感じないブラジルの魅力は相当に落ちてしまった事だけは言うまでもない。 一方、結果的に負けたとはいえFIFA公式マンオブザマッチにモハメド・ジダンが選ばれるなど、世界中のサッカーファンを興奮させたであろうエジプトは本当に素晴らしかった。後半のスコアという見方はおかしいかもしれないが、後半だけであればエジプトは2-1で勝っていた。初めから5バックで守備一辺倒ではなく、得意である組織だったパスワークとサイドアタックで真っ向勝負していても面白かったのではと思うほど、エジプトの攻撃はブラジルを恐怖に晒した。 日本と比べて身体的にそれほどまでの差は無いエジプトのこのサイドアタックは日本も真似出来るではないかとも一瞬思ったが、彼らにはボールを持てて動き回ってパスが正確な選手アブトレイカがいて、ボールを持てて、ドリブルで相手を抜き、強烈なシュートを見舞うアーメド・エイドがいて、ゴールを生み出すモハメド・ジダンというドイツで輝くエースがいる。そのどれもが日本にはいなかったか(苦笑) 俺のマンオブザマッチは、流れを大きく変えたシェハタ監督と言いたいが、監督ではダメなので初観戦で大好きになったアーメド・エイドをチョイス♪ この試合、せめてドローであれば更に最高の気分だったが、そう簡単ではないのがブラジルを撃破するという事だろう。アルムハマディという魅力的な右サイドバックが次戦欠場なのが残念だが、今大会エジプトが何処まで躍進するのか楽しみでならない。 ここまで読んで頂きありがとうございます。ここをクリックしてランキングUPにご協力頂ければ幸いです♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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