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Jun 29, 2009
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カテゴリ:Confede

FIFAコンフェデレーションズカップ 南アフリカ2009
決勝トーナメント 決勝
会場:エリスパークスタジアム
(ヨハネスブルク)
主審:M.ハンソン(スウェーデン)評価B

ブラジル 3-2 USA

10' USA C.デンプシー(R)←J.スペクター(R-C:R)
27' USA ドノバン(R)←C.デイヴィス(L-P:L)
46' BRA L.ファビアーノ(R)←マイコン(R-C:R)
74' BRA L.ファビアーノ(H)
84' BRA ルッシオ(H)←エラーノ(R-CK:R)


MOM : ルイス・ファビアーノ(ブラジル)

USA
監督:B.ブラッドリー 4-4-2

        1T.ハワード

     5オニェウ  15J.デメリット
 21J.スペクター       3ボカネグラ(C)


    13R.クラーク 22フェイルハーバー
 8C.デンプシー         10ドノバン


    9C.デイヴィス 17アルティドール
--------------------------------------------
ブラジル
監督:ドゥンガ 4-2-2-2

    11ロビーニョ  9L.ファビアーノ


     10カカ    18ラミレス

   5フェリペ・メロ  8G.シウバ

 16A.サントス          2マイコン
     14ルイゾン  3ルッシオ(C)

      1ジュリオ・セザール
◎USA交代等
75' アルティドール→CH 16クリエスタン
75' フェイルハーバー→LH 2ボーンスタイン
87' R.クラーク→CF 4C.ケイシー
◎ブラジル交代等
65' A.サントス→LB 13D.アウベス
65' ラミレス→RH 7エラーノ
楽しみにしていたコンフェデ決勝は今大会を象徴する内容となった。

前半はUSAが2点リード。

そして、後半はブラジルが怒涛の反撃を魅せて、大逆転の上、勝利。

簡単に書けば、これだけだが、その中身は凄まじかった。

前半はUSAが先制したとはいえ、そのゴールはいずれもスペシャルなゴールだった。

スペクターのクロスを好判断であわせたデンプシーは狙い通りのシュートでは無かったように見えたが、それでこそ結果的にゴールにつながった。早い段階でのクロス。相手DFが後ろに下がっているタイミング、マークがずれているタイミングでのクロスというのが効果的である事が良く見て取れたシーンだった。

2点目は完璧なカウンター。チャーリー・デイヴィスとドノバンの2人でDFを置き去りにして、ゴールまで向うプレーはかなりの高精度。最後のドノバンの相手をかわすトラップも見事だった。日本でも同じシーンは作れるだろうが、最後のドノバンのトラップがあのシーンで出来る選手がいるだろうか。それこそが真の卓越した技術というものなのだろう。

このスペシャルなゴールでとうとうスペインに続けてブラジルまで撃破かと、ジャイアントキリングに期待もかかったが、簡単ではなかった。

ブラジルは後半いきなり、ルイス・ファビアーノがゴール。あっさり。DFの気の緩みというか守備力というか。この立ち上がりの失点が後の展開に大きく響いた。

ドゥンガは同時に攻撃的な選手を2枚投入。これで更に攻勢を強めるブラジルはカカのドリブルから左サイドを崩して、ゴール前混戦をまたも、ルイス・ファビアーノがゴールを決め、同点に追いついた。ルイス・ファビアーノは前半こそ不甲斐無かったが、この勝負強さは特筆に価する。数々のゴールゲッターを揃えるブラジル代表の中でも、1番手である力を示した。

同点に追いつかれたUSAが前に出れば、当然裏にスペースは出来る。そこをついたブラジルの攻勢は変わらず、交代で入ったエラーノのキックからルッシオがヘディングでゴールを叩き出して、とうとう3点奪って大逆転。


2-0リードのゲームこそ、難しいと言われる通りの展開となった。

USAは最後まで諦めずにゴールに迫ったが、終了間際のオニェウのヘディングシュートは枠の上。

試合はブラジルが大逆転で勝利し、コンフェデの連覇を達成した。

USAは勢いという力もあっただろうが、それでも個々の力も高い選手ばかり。特にドノバンのキレとデンプシーの攻守両面での貢献は計り知れない。決勝こそ出番を得なかったマイケル・ブラッドリーとフェイルハーバー、リカルド・クラークも守備力はあるし、献身的な動きでチームを援けた。これに、ブンデスはシャルケ所属のジャーメイン・ジョーンズが加わるとかなりハイレベルな中盤が出来上がりそう。(ちなみに、ジョーンズはドイツ代表の経歴があるが、最近FIFAが決めたルールにより国籍変更が出来るそうでUSA代表入りを希望しているそうな。)

チャーリー・デイヴィスもドノバンと共にスピードとドリブルで存在感を示し、アルティドールも着実に逞しさを増した。サイドバックに難があるかとも思ったが、右SBスペクターは精度のあるクロスを魅せたし、キャプテンでもある左SBボカネグラは堅実な守備でチームを引き締めた。GKは元々、ハワード、グーザンとハイレベルな選手がおり、磐石。本大会でも、どの国にとっても相当危険な相手になることは間違いが無い。


続いては、連覇達成のブラジル。

決して、満足の行く内容ばかりではなかった。それでも、結果を出したチームを責める事は出来ないだろう。というか、ドゥンガのチームはブラジルであってブラジルではないとも思える。ブラジルと言えば、やはりファンタスティックな選手らがドリブルとパスとトリッキーなプレーを巧みに使ってゴールを生み出し、その後はお得意のマリーシアで時間を潰し、相手が苛立って集中を欠いた所を抜け目無く追加点という、エンターテインメントとして魅力的なサッカーをするチームという認識が強い。

それは得てして、自己満足や利己的なプレーにもつながり、破滅に陥る事も少なくない。

その点、ドゥンガは堅実な選手を揃えたサッカースタイル。サイドバックの攻撃性こそ正にラテラルと呼ぶべき積極性を魅せたが、その分中盤にも高い守備意識を持たせており、イタリア的と言われるのも頷ける部分は大きい。反面、苦しんでいる状況下での積極的な交代策は見事に結果につながった。スタートはバランスを取って戦っている分、攻撃的な選手を交代で出すシンプルな采配はブラジルの選手にとってはようやくアクセル全快で攻めていいという判断につながるのだろうか。選手に縛りを設けるからこその躍動。最初から躍動出来るのにあえて抑え込んで放出する爆発性。それらは新たなブラジルの力を生み出す方策なのかもしれない。ただ、クラッキを並べるのではなく、それら心理面も熟慮した上での采配。

そこまで本当に考えているのかはわからない。しかし、もしそうなら、ドゥンガの采配はW杯制覇を目論むヨーロッパ各国にとって更なる脅威と成り得るだろう。


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Last updated  Jul 1, 2009 02:46:52 PM
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