等々力善福の雑文書いてます

　今月２６日のＩＣＣＡＴ（大西洋まぐろ類保存国際委員会）で、大西洋、地中海での
クロマグロ（ホンマグロ）の総漁獲枠を約２割削減することが合意されました。日本
のミナミマグロの漁獲枠が半減になった１０月のＣＣＳＢＴ（みなみまぐろ保存
委員会）と違って、日本は削減派として会議をリードしたとか。
　舌をかみそうな名前の委員会がいろんなことを決めているようですが、マグロの
値段が上がるのは避けがたい状況のようですね。ホンマグロとかミナミマグロって
スーパーとかではあまり置いてなくて、デパ地下とかで目の玉が飛び出そうな
値段で売っているアレですよね。私はほとんど買いませんが、、、
　メバチマグロやキハダマグロは値段も手頃で庶民の味方ですが、これらの
庶民的な魚に対しても、削減を前提とした協議が続いているようです。
　細かい数値データを手に入れなくても、スーパーの値札からいってクロマグロ、
ミナミマグロの数は確実に減っているので、保護が必要だというのは本当の事
でしょう。それに比べると、メバチマグロやキハダマグロは目に見える形では
数量は減っていないはずです。いったん数量が減ってからでは遅いのだと、環境
保護団体は言うかもしれませんが。

　今回のマグロ漁獲枠をめぐる報道を見ていて、かつての捕鯨反対運動と日本
たたきを思い出す人も少なくないと思います。捕鯨反対運動が盛んだったころ、
捕鯨はあたかも非人（鯨？）道的行為のように糾弾されました。私の理解によれ
ば、捕鯨国が袋叩きにされた原因は、正しいとか間違っているとかではなく、少数
者または劣勢であってことにありました。確か日本とアイスランドくらいでしたっけ、
間違ってたらごめんなさい。

　ともかく今回のＩＣＣＡＴでは、漁獲量の少ないアメリカ、カナダは大幅削減を主張
したものの、ＥＵや地中海沿岸のアフリカ諸国などマグロ漁を盛んに行っている国
は削減に反対し、他ならぬ日本がなぜかまとめ役になって資源保護のための
削減を主張したということらしいです。

　ツナサンドが好物の人間に、マグロ漁がいかに「悪」であるか説いても、なかなか
理解してもらうのは難しいでしょう。鯨が肉よりも安いタンパク源であった時代に
鯨肉を食べていた中高年以上の日本人が、捕鯨がいかに「悪」であるか説かれ
ても心の底からは納得できないのと一緒です。今の子供は鯨肉を見て何だか
分からないかも知れませんが、未来の子供がマグロのサクを見て何だか分からな
かったら悲しいですよね。

Ｐ．Ｓ．　マグロが、個体数が増えてきた歯クジラ類と人間の挟み撃ちになってる
　　　　　ってことはないですかね？