等々力善福の雑文書いてます

　今日の読売新聞の社説は北海道の夕張市の破綻に関するもので、題は「財政
赤字の早期是正が肝心だ」だった。もっともな題ですよね。ちょっと要約（？）して
みます。

　財政赤字に苦しむ自治体の中から第２、第３の夕張市を出現させないために、
総務省の研究会が報告をまとめ、この報告をもとに法制化が進むという。
　報告書は新たに「早期是正機能」を導入することを求める。国が様々な赤字隠し
を監視して、トータルの赤字が一定の水準を超えた場合には「是正」を求める
という。「早期是正」が上手く機能しなかった場合には、現行の再建制度に近い
「再生段階」に移行するという。
　社説は結論で「債務減免制度」に言及し、新しい再生法制が整備されたあとなら、
新規借り入れ分に限り、減免対象とすることを提案している。融資姿勢が厳しく
なることによって自治体が反省するのでは？と言うのです。

　私に言わせれば、社説の結論は眉唾ものですが、何で自治体は株式会社のよう
に破綻時に債務を減免されないんだろう？というのは誰しも考えますよね？
　テレビで夕張市の市民が市に対する怒りの声を上げているのを見れば、債権者
の銀行員でも市民の肩をもちたくなるかも知れません。
　しかし現実には、市はいわゆる無限責任をもっているので債務は減免されず、
銀行、金融機関は最後の１円まで回収するのです。

　仮に社説の提案が認められたとしたら、夕張市の様な出来損ないの遊園地事業
はお金を借りられないので、こんなひどい状態には確かにならないでしょう。
　しかし、株式会社程度の責任しか取らないのであれば、株式会社程度の信用しか
得られないはずなので、経済の状況が厳しい状況下での「貸し渋り」「貸し剥がし」
の犠牲者になるのは目に見えています。事業の公共性とは無関係に金融機関は
息の根を止めるでしょう。
　問題は、悪い企業には消えてもらって全然構わないんだけど、自治体は悪い
（？）からといって、この世から消すわけにはいかないことです。
　債務免除に関していえば、お金をもうけるためのシステムで上手くいくからと
いって、公共のシステムで上手くいくとは限らないと私は考えるのですが。

Ｐ．Ｓ．　この社説を読んでいたら、日本は国の借金に関して無限責任をもって
　　　　　いるんでろうか？という疑問が湧いてきた、、、、、もってますよね。

Ｐ．Ｓ．２　すいません！道路特定財源の一般財源化の議論もう一回やって
　　　　　　くださいっ！！！