等々力善福の雑文書いてます

　０２年１月に、走行中の三菱製のトラックからタイヤが外れ、歩いていた母子に
衝突して、母親が死亡、子どもが負傷する事件が起こりました。三菱の欠陥
トラックとリコール隠しの事件として大々的に報道され、トラックの不買運動へと
発展したので、記憶している人も多いと思います。
　しかし、１３日の簡裁は、タイヤ脱落事故に関する虚偽報告で罪に問われた
元役員らに無罪判決を言い渡しました。その瞬間、廷内はざわめいたといいます。

　無罪判決の理由は、道路運送車両法の「虚偽の報告をした者」を規定する条項
（６３条）によれば、報告要求は国土交通相によって行われなければならないのに、
実際には（下っ端の国交省）リコール対策室によって行われたいたので、報告
要求そのものが最初からなかったのと同じ。犯罪の証明にならないとして
います。

　今日の読売新聞は、検察「形式論に固まった判決」、識者談話「行政の本質
理解していない」などと報道しています。形式論もレベルによるのであって、この
裁判官のように現状を完全に無視するところまでいくと、さすがの法廷もざわめき
ます。行政の手続きにワンミスがあったら、法律的にはその手続きは消滅する
と言っているのです。法律の条文どおりに行動しなければ、ゼロと。
　記事によると、同省には年間約５０００件の不具合情報が寄せられ、そのうち
数百件がリコールに関する聴取の対象になるという。この全てを大臣の意思を
確認してから行えと言うのです。
　実際には、行政の本質を理解していないと言うよりは、法律の本質を理解して
いないと言うべきかも知れません。
　時代の流れとともに状況が変化して、法律と現状に開きが出てきたのに、その
まま是正されずに今に至ったのは分かりますが、それを誤審に直結する裁判官
がいるのは困ります。
　法律の字面は読んだけど、現状は無視したために、
「（現実に）虚偽の報告はしたが、（法律的には）虚偽の報告をした者にはならない」
という世間の常識から遥かに外れた判決を言い渡すことになるのです。

　こういう裁判官には私から判決を下しましょう。
（判決）０点
ついでに、判決後の説諭もつけましょう。
（判決後の説諭）罪を犯したものが罰を受け、被害を受けたものが補償を受け、
社会はその罪または被害が再発するのを防止するように努める。その手伝いを
するのが、あなたの役目なのですよ。

Ｐ．Ｓ．　我ながら良い言葉だな、、、