一年前の今日、テレビを見ていたあたしは

「衝撃、緊張、恐怖、無力さ」

を一度に感じた。
世界貿易センタービル事件の映像だった。

１機目が突入した所から画面を見ていたあたしは
２機目の突入はリアルタイムで見ていた。

そして今日、「カメラはビルの中に居た」
と言う番組を見た。
それはあの時の想像以上のものだった。

テレビを見ているだけで鼓動は早くなり
涙が止まらなかった。

カメラマンの言葉

「一体この僕に何が出来ると言うのか。
　僕は医者でも消防士でもない。僕に出来ることそれは
　この記憶を映像に残しておく事だ。」・・・と。

もし、もしあたしがあの場所に居たら何が出来る？
たくさんの人が考えた事だろう・・・。

あたしにはきっと何も出来ない。
ただ呆然と見ている事しかできないだろう。

カメラマンの言葉

「一つの道の上には世界があった。肌の色も言葉も違う何万
　もの人たちが同じものを見て、同じ事を感じ、同じ事を
　話している。」

やけにココロに残った言葉。
何がとはハッキリ言えないけれどやけに残った。

阪神大震災の被災者であるあたしはあの時感じた
「何か」がこの言葉で解決された気がした。

人と人が支えあっている事。
普段当たり前に過ごしていて忘れがちな事。
こうゆう時に本当の意味で思い知らされる。

自分自身が無力な事も。

死者３０００人。
数だけで捕らえたって何も分からない。
３０００人ひとりひとりに家庭、恋人、友人
世界があったはず。

居なくていいひとなんて居るわけがないし自分には
関係ない。なんて思わないでほしい。

イエモンの曲の言葉

　♪乗客に日本人は居ませんでした。
　　　僕は何を思えばいいんだろう　♪

本当に何を思えばいいんだろう。
他人事のように言葉を発する人たちが恥ずかしく思える。

それは阪神大震災の被災者であるからこそ感じられる。
実際、阪神大震災の後腹立たしい事もたくさんあった。

他人事のように報道を続けるテレビ番組も
ドキュメンタリー番組も気に食わなかった。

忘れないため？？
被災者達の心には忘れる事の出来ない傷がある。
テレビは忘れない為どころか傷をえぐっているように
しかあたしは思えなかった。

ひとつ違っていたら何もかも違っていた事
もっと実感してほしい。


「０９１１」グランドゼロで起きた事を
　　　　　　忘れてはいけない。
　　　　　　そこにあった世界も。