テーマ:動物好きさん集まれ~(971)
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南青山に初めてのペット専用の開業医を始めたのは戦後の昭和30年。当時ではペットを飼うような富俗層は進駐軍のご婦人ぐらいだったと言われています。そんな時代に敢えて一等地である場所を選んで開業を始めた当時24歳のペット専門の獣医さんがいました。 小林利夫さん 何とも愉快で明るいお医者さんでした。この方は私の大伯父さん。祖母の弟、母にとっての伯父に当たります。その大伯父さんが先日亡くなりました。享年80歳。 ガンとも闘いゲルマニウム治療で一時は完全治癒されたと聞いていましたが、やはり再発されたようです。戦前、大伯父さんは愉快な著書を出しました。自叙伝というべき内容です。今回はその著書を少し紹介したいと思います。 まだ日本人が戦後の復興の中でペットを飼う余裕など無い時代から獣医をしていたので、当初は家畜の面倒を見ることの方が多かったようです。農家に行って牛や豚にワクチン注射を打つような仕事がほとんどでした。しかし開業するに当たって選んだのが南青山。いわばペット専門の獣医になると言うことです。 今でこそ普通に思えるかもしれませんが、当時としては大冒険だったと思います。ペットなんて飼っている日本人はあまり居ないわけですから。でも大伯父さんは先見の明があったんでしょうね。色々な人からのクチコミで評判が広がり、各界の有名人等との交流を広げて確固たる地位を築いたようです。 このホンにはかなりの有名人・著名人が実名で出てきます。 ・コムデギャルソンの川久保玲さん ・古賀政男 ・川原亜矢子 ・辰巳柳太郎 ・三橋達也 ・山田五十鈴 ・小林正樹監督 ・渥美清 ・倍賞智恵子 ・伊丹十三 ・浜崎あゆみ ・中村橋之助 ・深作欣二監督 ・与謝野馨代議士 他も各界の方々が出てくるのですが、私の知っているだけでも以上のような感じです。多くの人がご自身の大切なペットを診せに来ていたようです。私も幼い頃に遊びに行った記憶では、病院と自宅を兼ねた3階建ての建物の階段に、檻に入った犬や猫のペットがたくさん居たのを覚えています。 入院しているペットもいれば、飼い主の外出時に預かるサービス(今で言うペットホテルの先駆け)も受けていたようです。 晩年はガンとの闘病生活だったようですが、ゲルマニウムの効果を力説されていました。その事は著書にも書かれています。ガンとのゲルマニウムとの関係を自ら体験で示していたので、自分がもし同じような境遇になった際には試してみたいと思います。親戚はガンで亡くなっているケースが多く、自分にもその素因があると思うからです。 話がそれましたが、大叔父は本当にペットを動物達を愛する人でした。 それでも助けられない多くの命があったと思いますが、その都度心を痛めて自分のことのように悲しんであげた人でした。そんな優しい大叔父ですからきっと天国でも多くのペットたちに囲まれて幸せにしていることでしょう。 今週の土曜日に五反田で告別式があります。 私も出席しますが、多くの方が弔問に来てくれることを楽しみにしています。大叔父の生き様をこの目で見届けてきたいと思います。
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