今日紹介したいのは、ぱーぷる著『あしたの虹』です。
この作品、元々はケータイ小説として書かれたもので、
オイラもそこにケータイからアクセスして読んでいました。
ストーリーは、女子高生ユーリのひたすら一途な恋を描いているわけですが、
その他にも家族愛についてや幸福についても考えらさせる内容になっており、
簡潔な言葉に込められたメッセージは相当に深いものになっています。
正直、今までケータイ小説は恋だの愛だのをウダウダ騙っているだけで
内容はさほど無いモノばかりと思っていただけに、
この小説の内容の深さには感心させられました。
ただ…簡潔にまとめられている為に、もっと掘り下げて欲しいところで
あっさり話が進んでしまったのは少し残念。
終盤のくだりは、もっと分量があると嬉しかったかなぁ、と。
しかし、逆にそれが最後のどんでん返しをより衝撃的なものにしている
ということも言えるわけで、文章表現について考える上でも
なかなか興味深いとも言えますね。
ちなみに…第3回日本ケータイ小説大賞を受賞したという
『あたし彼女』もさわりをちょっと見て(≠読んで)みましたが…
ダメだな(-∀-;)
読みにくいったらありゃしない(^_^;)
今どきの女学生さん達は、アレをすんなり読めるのかいのぉ(´・ω・`)
その点、この小説はずいぶん読みやすいんだよな。
言葉が選りすぐられているって感じ。
純愛小説が好きな人には結構あってるんじゃないでしょうか。
少なくともオイラは、ぱーぷるさんの他の作品も読んでみようかなぁ、
っていう気になりました。
しかしまぁ、これが読みやすいということは
やっぱりオイラの感覚って古いんだろうか…(-∀-;)
たしかに、ところどころ古臭い(苦笑)表現があったし
イマドキの娘が書くにしては感覚の古さはあるかな…
とは感じましたけどね。
まぁ、正体を知ってから読んだからそう思っただけかもしれませんが(^_^;)
しかし…
あのお年でこれだけの恋愛小説を書くとはさすがですよね。
さすが、現代の紫式部というべきか。
今でこそ、達観しておられるようでさえありますが
元々は情熱的な小説を書いていて、
“エロ小説家”とまで陰口をたたかれていたくらいだもんなぁ。
人間、どんなに年を取っても“枯れて”はいけないですね。