妙味あるEVERY BREATH YOU TAKEトラック BEENIE MAN feat. TONY CURTIS & ARP / MISSING YOU と L.U.S.T. / SWEETNESS OF YOU LOVE
洋楽スーパーポップの世界 【 ポップ偏差値 65 】BEENIE MAN feat. TONY CURTIS & ARP / MISSING YOU と L.U.S.T. / SWEETNESS OF YOU LOVE '98THE POLICEのヒット曲EVERY BREATH YOU TAKEのトラックを使ったレゲエのヒット曲を二曲。ともに「REGGAE HITS VOL.23 / V.A. (JET STAR JECD 1023)'98」収録。このページで試聴出来ます。「THE POLICE / EVERY BREATH YOU TAKE '83」はギターの柔らかで心地よい刻みが特徴的ですが、世界的ヒット曲である通り、その甘ったるいメロディとポピュラリティの高い出来により、チト飽きっぽいのがタマにキズでポップ偏差値は60。そのトラックを使って97年にPuff Daddy featuring Faith Evans and 112がヒットさせたI'LL BE MISSING YOUはラップ・バージョンでこれもヒットしました。ギャングスタ・ラップ好きの私から言わせてもらうと、やはりヒットしたなりのポピュラリティにより私の好きな黒人音楽の持つ過剰な何かが薄まった内容。トラックも凡庸で、発想は買えるがポップ偏差値は58。そして、そのPuff Daddy版をジャマイカのDJがカバーし、98年にローカル・ヒットさせたのが私がオススメする「BEENIE MAN feat. TONY CURTIS & ARP / MISSING YOU」。ダンスホール向けに重低音などを強調し、無音部分などを加えうまく振幅を効かせたトラックに「EVERY BREATH YOU TAKE」ギターが心地よく響く素晴らしい内容。BEENIE MANの明るく陽気なDJ(ジャマイカ版ラップ)もうまく嵌ってポップ偏差値は65。原曲の持つ英国的ポピュラリティが米国黒人文化を経由し、うまくレゲエに変換されており、異文化交流の妙味に感慨もひとしお。そしてほぼ同時期に、やはり同じジャマイカでPuff Daddy版を受けて作られたメロウなR&B風バラードが「L.U.S.T. / SWEETNESS OF YOU LOVE」。個人的にここで聴かれる80/90年代R&B風な感傷的な唱法は好きではないが、何せBEENIE MAN版同様にトラックが美味なのでほとんど気にならない。因みにL.U.S.T.はジャマイカでも歌えるシンガーとして有名なLUKIE D,TRILLA U(aka THRILLER U ソウルファンにも有名),SINGING MELODY,TONY CURTISの4人で構成されるスーパー・ユニットなので歌の実力も確か。BEENIE MAN版のように踊ることを目的に作られていない分だけ、トラックの心地よさだけならこちらの方が上でポップ偏差値は65。是非この二曲の妙味ある「EVERY BREATH YOU TAKE」トラックを多くの方に堪能して頂きたい。そして他にも同トラックを使用したオススメ曲をご存知でしたらどうか教えて下さい。因みに同トラック使用曲はレゲエでは他にも幾つかあります。「CHAKA DEMUS & PLIERS / I'LL BE MISSING YOU」は基本的にPuff Daddy版のカバー。SLY+ROBBIEによるトラックは完成度は高いものの、ポピュラリティも高く、SINGER,DJともに安っぽい感傷的メロディが鼻につく感じで偏差値は59。「ELEPHANT MAN / WATCHING U」も基本はPuff Daddy版ですがギターの刻みは無く、ダンスホール・スタイルを強調したチト粗暴なトラック&DJで心地よさは感じられない。「M'LONIE & MOOFIRE / SMILE ON YOUR FACE」,「MR.LEXX / GI DEM A SCOOBAY」,「M'LONIE / ETERNAL FLAME」等も同一トラック使用曲ですが特に妙味は無い。