絶望、虚無感そして肯定へ Sinéad O'Connor / Streets of London 「Fire On Babylon」'94
洋楽スーパーポップの世界(5) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【 ポップ偏差値 60 】Sinéad O'Connor / Streets of London 「Fire On Babylon」'941990年代を中心に活躍したアイルランドの女性歌手シネイド・オコナー(シンニード・オコナー)によるカバー曲。94年のCDS「Fire On Babylon」収録。オリジナルは1969年のイギリスのシンガーソングライターのフォーク歌手Ralph McTellで、1972年の再録音版がイギリスで2位とヒットしている。山下達郎SSBでは未オンエアだけど、かなりの人気曲でsecondhandsongs.comによると132曲ものカバーが存在する。個人的には1971年のMary Hopkin版が儚くか弱い女性ヴォーカルが妙味があり愛聴していたんだけど、最近Sinéad O'Connor版を聴き、より感銘を受けての取り上げです。シネイド版は極度に体温の低さを感じさせ、一聴するとまるでAI搭載のアンドロイドか何か人間でない者が歌っているかのよう。もちろんそんなことはない訳だけど、圧倒的な絶望により打ちひしがれた虚無感、しかし、その中でも垣間見える前向きな肯定感と優しさを感じさせ実に心に染み入ります。実際のところ歌詞もそのようなもののようで、その意味では歌手シネイドとこの曲の相性はバッチリだったと言えるのでは。シネイドのカバーにより、更に磨きがかかり輝きを増した名曲と言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。Ralph Mctell / Streets Of LondonMary Hopkin / Streets of London