異世界としての樹海 LABI SIFFRE / CANNOCK CHASE '72 「Crying, Laughing, Loving, Lying」
フリーソウルコンピ未収録推薦曲(2) 【 ポップ偏差値 65 】LABI SIFFRE / CANNOCK CHASE '72 「Crying, Laughing, Loving, Lying」イギリスの黒人シンガーソングライター、ラビ・シフレの1972年のアルバム「Crying, Laughing, Loving, Lying」収録曲。曲名のカノックチェイスというのはイギリスにある自然が豊富な森林・田園地帯のことで、このアルバムの収録曲が書かれた場所でもある。曲は哀愁を感じさせるギター中心のフォークソング。カノックチェイスの豊かで美しい自然美を歌ったものと推測できるけど、その物悲しくも仄かな甘さを感じさせる熟成されたメロディは内省的で人生の酸いも甘いも知り尽くしたかのような思慮深さを感じさせて良い。サウンドはベースやドラムの入らない簡素なものながらも万華鏡のように煌めくアコースティック・ギターの音色が魅力的。それはあたかも決して抜けられない深い樹海を彷徨うかのような異世界感がありますね。後半に入る上品な弦の音色や情緒的で胸を打つスキャットなどシンプルな中にも聴きどころは多い。フリーソウルコンピには彼の「THE VULTURE」が収録されているけど、個人的にはこっちの方がお勧めです。「YOU TUBE」で聴けます。