「NEO RECYCLE CIRCLE (ネオ・リサイクル・サークル)」
NRC(ネオ・リサイクル・サークル)の想い出 3
前回
ネオ・リサイクル・サークルの想い出 2(ぞんびさあくる時代と岡崎京子さんのことなど)の続きです。
82年春からポンプ界隈でも精力的に活動されていた吉祥寺在住のS.T.氏に編集者が変わりサークル名がNRC(ネオ・リサイクル・サークル)となる。S.T.氏が大学に合格し自由時間が多くとれるようになったことが理由と思われる。
第1号ではオレンジジュースの大き目の紹介がある。当時ロッキングオンなど音楽誌ではほとんどプッシュされていなかったようなこうしたマニアックな音楽が、感受性の高い会員により大きく紹介されたりしたのも魅力の一つだった。同時に突如の伊藤つかさブーム。NEW WAVE系が主流だったサークルに何故かロリータ系アイドル歌手ブームが起こり(一番騒いでいたのは私だが)今にして思えば先の読めないこうした会員の嗜好の多種多様性もまた面白かった。
他にこの頃紙面を賑わせたのはDURUTTI COLUMN、PIL、WIRE、PSYCHIC TV、AZTEC CAMERA、戸川純とか。音楽誌との温度差を感じることは多かったし、実際にどういうアーチストがどういう風に聴かれているのかを感じることが出来るのも興味深かった。
岡崎京子さんが表紙を描いたのは3号分。第2号は1コマ漫画風になっている。( 「PHEWの終曲やります」@NHKのど自慢 → 「(歌う前)カーン(鐘一つ)」というもの)また、この頃会員NO.16のT.K氏主催のイラスト版NRCという位置づけの「I&I」という冊子が発行されたんだけど恐らく岡崎京子さんも参加していたと思うので彼女の研究家は要チェック!(少なくともVOL.7まで出ていた模様。)
製本が東京で行われるとのことで当時田舎住まいの高校3年生だった私も数度参加させてもらった。吉祥寺のS.T.氏宅で10人ほど集まり、ホチキス止めする程度の作業だったので実質的に会員同士の交流会・オフ会みたいなもの。みんなでカレーを作って食べたり、オレたちひょうきん族を見たり。岡崎京子さんに「田舎ではカレーに茄子なんて入れないでしょう?」と馬鹿にされながらも「伊藤つかさの家が同じ下北沢で知ってるから教えてあげる!」と地図を描いてもらったことは昨日のことのように覚えている。(その後私が伊藤つかさを追っかけてサイン&握手を求めたのは言うまでもない。)
S.T.氏編集のNRCは85年夏までの3年間でVOL.1からVOL.19まで(他に別冊が1冊)。その後就職活動の為か編集者交代となるんだけど何故か私に声がかかることになる。
続く