山下達郎 サンデー・ソングブック
山下達郎が断罪!「AI美空ひばりは冒涜です。」
2019年の紅白歌合戦やNHKの番組で「AI美空ひばり」という企画があった。これはAI技術(VOCALOID)を用いて故人である歌手の美空ひばりさんの歌を再現し本人名義の新曲として歌わせたもの。これに対し山下達郎氏は2020年1月19日のサンデーソングブックでリスナーからの質問に答える形で以下の発言をした。
リスナー「単刀直入にお聞きします。昨年の紅白、AI美空ひばりはどう思われますか?私としては技術としてはありかもしれませんが、歌番組の出演、CDの発売は絶対に否と考えます。AI大滝詠一とかAI山下達郎なんて聴きたくありません。」
山下達郎「ごもっともでございます。一言で申し上げると『冒涜』です。」
短いやり取りだったけど、大物音楽家であり大の音楽愛好家でもある山下達郎氏の言葉は重い。いろいろしがらみはあるだろうけど、よくぞ言ってくれたという感じ。私がこの「AI美空ひばり事件」に感じる問題点は下記の通り。
・本人の意思確認なしに本人名義の新曲として歌わせた点。
・本人に似せてはいるがあくまで偽物である点。
・AIという隠れ蓑を使った別の人間による創作である点。
(結局AIといったところでそれをプログラム、調整、作動させているのは別の生身の人間)
・本物とは到底似つかわしくない点。
本当に音楽を愛する者ならば、このような出来の悪い偽物の存在を許すはずがないし、逆に存在を認めるのならば、私は程度の低い音楽ファンとして軽蔑する。下記リンクの番組に出てきた自称美空ひばりファンの方々は1500曲以上あるという美空ひばりの歌を全て聴いているのだろうか?本物の美空ひばりさんの歌声を心底愛した本当のファンの方々の心中を察すると気の毒でならない。
このような無神経な企画を立案し関わった全ての関係者の罪は深いと思う。企画したNHK、許諾した親族、製作した秋元康、YAMAHAのVOCALOIDの技術者などなど。AKB商法で悪名高い秋元康が大きく関わっていたのには納得だが、YAMAHAの技術者も倫理観の欠如したマッド・サイエンティストとしか思えない。これら関係者の方々が山下達郎氏による『冒涜』という指摘を真摯に受け止め反省し二度と同様な愚行を繰り返さないことを願いたい。
今後も技術の発達と共に同様の無神経な企画が行われることは多々あると思う。そこで冒涜行為への自衛の為にミュージシャンはAI化、VOCALOID化の禁止を遺言として残しておくべきかと思う。
「radiko」で聴けます(35分40秒のところから)。
AIでよみがえる 美空ひばり