ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1)
THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1)
【 ポップ偏差値 74 】
岩崎元是 / 勇気のつばさ(off vocal ver.) '16 作曲池毅 編曲岩崎元是
長年に渡り数多くの上質なウォール・オブ・サウンドを作り続けてきた岩崎元是Pによる2016年産音壁インスト。CDシングル「Machico / 勇気のつばさ」に収録。大滝詠一が1997年に井上鑑氏と共に歴史的ウォール・オブ・サウンド「幸せな結末」を作り上げた訳ですが、その大滝氏亡き今、元是Pこそが日本の、否、世界のウォール・オブ・サウンド界をその圧倒的な作品量と質の高さでリードしている唯一無二の絶対的存在だと言えますね。
本曲は既に
ポップ界の黄金コンビが実現 Machico / 勇気のつばさ として取り上げた曲のインスト(カラオケ)バージョン。個人的にはヴォーカルの声質や歌声が受け入れ難く、折角の元是P渾身の音壁作品でありながら高評価を与えられなかったことを残念に思っていた作品。ここのところ個人的に元是Pのインストバージョンを聴きなおす機会が多かったんですが、その際に改めてこの曲の音壁の魅力に気づいた次第。元是P作品はアニソンが多いということもあって、その作品の質の高さに反し不当に評価や扱いが低いですが、このインストは全くヴォーカルが入っていないということもあって、多くの方が受け入れやすいんじゃないかな?
グロッケンやカスタネット、アコースティックギター等の高音域のシャンシャン感、アコースティックピアノのエコー感、ストリングスの荘厳で華麗な響きに、ドラムやベースの重低音などがバランス良く配備され奥行のある非常に聴き応えのあるウォール・オブ・サウンドが展開されている。ヴォーカルがなくなったことで、どれだけ大音量で聴いても耳障りに感じることなく怒涛の音壁世界に没頭できる感じ。特に2分45秒からの無伴奏でのドラムの連打は圧巻。(池毅氏による濃い目のメロディもヴォーカル無しの音壁インストで真価を発揮した感じ。)
フィルスペクター~大滝詠一の流れをくみながら更に音壁を進化させ、2016年時点での音壁最前線にして最良の作品と感じます。個人的格付けとしては音壁偏差値74で「幸せな結末」と同ランクで世界第2位。優れたウォール・オブ・サウンドのインスト版は世界的に著名な指揮者による大編成オーケストラによる傑作クラシックを楽しむが如く大音量で楽しめますね。
音壁ファンの方でも、本曲のヴォーカル版を一度聴いてそれっきりという方も多いと思うのですが、是非とも先入観抜きで聴きなおしてみて下さい。
「YOU TUBE」で聴けます。フル・ヴォリュームでご堪能を!