音壁の世界(2)
【 ポップ偏差値 63 】
須藤薫 / つのる想い 作曲篠原太郎 編曲小西康陽 '89
1980年代を中心に活躍した女性歌手、須藤薫の1989年のシングルでウォール・オブ・サウンド仕様曲。日本産ウォール・オブ・サウンド・コンピ
「音壁ジャパン」にも収録されていた。プロデュースは元ピチカートファイヴの小西康陽で、当ブログでは小泉今日子のハリーラブ、
東京ディスコナイトのプロデューサーとして既出です。本曲も意識高い系プロデューサーの本領発揮という感じで手加減なしの怒涛のウォール・オブ・サウンドを展開しています。本家フィルスペクターによるライチャスブラザーズやティナターナーでもバラードにおけるウォール・オブ・サウンドの有用性は証明されていた訳ですが、この壮大なバラードでは更に音壁を深めた感じ。
これ実験?と思わせるほど派手に重低音を効かせたサウンドは音壁的に実に心地よい。メロディも悪くはないけどサビの絶唱の繰り返しはちょっとクドい感じがします。どうせなら、もう少しインスト色を強めてよりウォール・オブ・サウンドを堪能し易い内容にして欲しかったかも。何れにしても本曲の音壁の厚さと出来の良さは世界的にみても稀有と言えるでしょう。個人的に小西康陽氏のかかわってきた楽曲は積極的に聴いたことがなかったのだけど探せばもっと良質な音壁が存在するのかも知れませんね。(お勧めの音壁曲がありましたら是非教えてください。)
「YOU TUBE」で聴けます。