見栄講座 音楽編
見栄講座 音楽編 ベスト6 思いっきり見栄を張りたい方に朗報!
インスタ等で思いっきり見栄を張りたい方に朗報!音楽を見栄を張るための道具として捉え、『私は知力も高く、センスもバッチリなのよ』とライバルに差をつける音楽は何なのか?バブル前夜にヒットしたホイチョイプロダクションによる著作『見栄講座』を参考に、その音楽編をベスト5形式で考えてみた。
6.Einstürzende Neubauten / Kollaps '81
ドイツのインダストリアル・ミュージックやノイズミュージックを得意とする実験的バンド、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンの「崩壊」というタイトルの1STアルバム。メキシコのトルテカ文明の遺跡の洞窟に描かれた壁画の一部である一つ目人間のイラストが不気味でバンドの難解な雰囲気と合致している。知性派タレントの山田五郎氏も愛聴自慢をしたことがある。そして唐沢なをき氏も「まんが極道」において「偉くカッコイイ」漫画家を演出する道具としてノイバウテンを登場させている。ギャグ漫画のネタになるほどですので見栄を張るにはもってこいのバンドと言える。(注:ノイバウテン自体はコミックバンドではありません。)
1.SCRITTI POLITTI / JACQUES DERRIDA '82
イギリスのNEW WAVEバンドで「政治的な文書」を意味する造語がバンド名。この12インチのタイトルはポスト構造主義の代表的哲学者ジャック・デリダを歌ったものである。浅田彰、岡崎京子ご用達である(本当)。高学歴で知性の高さセンスの良さを匂わせたいならこの12インチ盤をさりげなくインスタ画像の隅に忍ばせたいものである。
2.BRIAN ENO / ANOTHER GREEN WORLD '75
環境音楽の第一人者として知られ如何にも高尚であるが、「アナザー・グリーン・ワールド」など環境音楽以前の作品には俗世離れした仙人的魅力に満ちた作品を多数残している。環境音楽の『ミュージック・フォー・エアポーツ』も映えるが本作収録の「Golden Hours」などを流してライバルに天と地ほどの差を見せつけたい。
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3.CAL TJADER / LA ONDA VA BIEN '80
アメリカのヴィブラフォン奏者カル・ジェイダーのインストアルバム。同アルバム収録の「Mambo Mindoro」は情熱と冷静さが混在する大人の知的で洗練された異世界マンボ。音楽として実にクリエイティブな作品だがマニアックな内容で敷居も高い。TJADERという綴りが素人には判読が難しいのも高ポイント。
独創的な異世界マンボ Cal Tjader / Mambo Mindoro 「La Onda Va Bien」'80
4.JOY DIVISION / CLOSER '80
ジョイ・ディビジョンは80年代に活躍したNEW WAVEバンド。ヴォーカルのイアンカーティスが自殺してしまったことで有名。同アルバム収録曲は「THE ETERNAL」など崇高で将に死線ギリギリといった渾身の曲が複数収録されている。自殺といった特異性もあり、その相乗効果でライバルを圧倒したい。
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5.小沢健二 / 犬は吠えるがキャラバンは進む '93
あまりマニアックな音楽だとそもそもライバルが気づかない可能性も高い。少しユルめのライバルに見栄を張りたいなら、東京大学卒の小沢健二辺りが適当だろう。叔父に小沢征爾もいるし、実際に高学歴女子アナ小宮悦子も大ファンだそうな。特に1stアルバムの本作は村上春樹のような少し難解で長いアルバムタイトルが如何にも知性派っぽくて良い。
(続く)
(この記事は以前ベスト5まで発表したものにノイバウテンを追記した記事となります。)