私の好きな甘茶ソウル(5)
MY FAVORITE SWEET SOUL (5)
【 甘茶偏差値 67 】
BINGO / WE CAN'T GET ENOUGH (SILVER BLUE 803)'73
フィリーソウルの重鎮Bobby Martinアレンジの元、スウィート・ファン垂涎のレーベル「Silver Blue」から出された1973年の甘茶ソウル兼フィリーダンサー。「Silver Blue」はソウルの伝説的海賊盤コンピ
SOUL FROM THE VAULT RARE SWEET DYNAMITEの記念すべきVOL.1で丸ごと特集されたほどのレーベルで、その第一曲目を飾ったのが本曲である。
マスクマン氏の特製ミックスCDのタイトル曲にもなっていて氏によると本曲は「シルバーブルーの奇跡」と呼ばれていたらしい。もちろん全くヒットしなかった訳だけど、往年のスウィート・ファンには絶大な評価と人気を誇っていた曲でその内容からも実にマニア向けな曲と言えますね。
曲はミディアム~アップテンポで悲しげなメロディが特徴的。バックを務めるのはMFSBのメンバーのようで厚みのある華麗なサウンドが素晴らしい。特にストリングスの華やかさとタイトなリズムが実にフィリーで美味。そして特筆すべきは悲壮感漂う主旋律を歌う緊迫感のあるリードヴォーカルとそれを盛り立てる甘みを持ち合わせながらも切実でヒリヒリ感満点のキャッチーなファルセット・コーラス。この狂おしいほどの妖しい魅力を放つコーラスには心底身震いがします。ネオアコにおいてはこうした切実感や緊迫感のある名曲は多いけど、ソウルではあまりないから(テリーハフぐらい)その意味では大変貴重な作品と言えますね。甘茶ソウルとフィリーダンサー、両者の好いとこ取りをしたこの素晴らしい内容が「シルバーブルーの奇跡」と言わしめていたのでしょう。
因みにこのシングル一枚だけしか残さなかった謎のグループですが、本曲の「YOU TUBE」でのコメントを見ると「リードは私の父(Danny Thomas)だ」「叔父やその他の家族が所属」「メンバーに髪を切ってもらった」などとあり、どうやら地元フィラデルフィアのファミリー系グループのようですね。
「YOU TUBE」で聴けます。
5分10秒と長い
Tom Moulton Mixもどうぞ。
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