フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4)
【もうすぐランクイン】
CANDI STATON / LOOKING FOR LOVE '80「CANDI STATON」
アラバマ州生まれのサザンソウル女性歌手キャンディ・ステイトンの1980年のアルバム「CANDI STATON」収録曲。名曲の多い彼女にしてはほとんど話題にならない地味な曲だけど、恐らくこれは近年世界的大ヒットとなった「竹内まりや / プラスティック・ラヴ('84)」の元ネタとなった曲。ニューヨーク録音の洗練された雰囲気はあるものの暗めで地味な曲調は個人的に好みではないけれど、如何にも山下達郎的なゆったりとしたグルーヴィなトラックはなかなかのもの。
基本的にはベースラインを含めたリズムパターンが部分的に「プラスティック・ラヴ」とよく似ている訳ですが、決定的なのは「プラスティック・ラヴ」で要所に入る特徴的なカウベル(公式動画では29秒~)と同様のカウベルが入る(1分12秒~)ところですね。年代的にも近いですし、達郎氏がサンデーソングブックで延べ12回も曲をオンエアしている、贔屓の歌手の作品ということで元ネタ認定は妥当かなと思いました。特にメロディが優れた訳でもない地味なこの曲の可能性に気づき、改良し、より素晴らしい楽曲を作り上げた達郎氏の着眼点とそのセンス、技量には感心させられました。
なお、誤解のないよう書き添えておきますがメロディを丸々真似するパターンは兎も角、こうしたトラックの流用は、
「恋はあせらず」トラックや
「TRIPPING OUT」トラック(甘く危険な香り)などの例を持ち出すまでもなく、音楽においてはごく当たり前のことです。レゲエにおける
リディム同様、優れたトラックは世代を超えて受け継がれていくもので、その過程で様々な派生や進化があるのですから音楽の発展において必要不可欠なものといえるでしょう。
「YOU TUBE」で聴けます。
「竹内まりや / プラスティック・ラヴ」