カレー屋のお兄さんのサクセスストーリー(?)を陰ながら見守る
うちの会社が今のビルに引っ越してきてもう8年もたつ。2、3年経った頃だろうか、ビルの近くに流しのカレー屋さんがお昼時にくるようになった。ビルの前にある大きな交差点の、歩行者用信号の足下あたりに、自転車で来るのか、お兄さんが一人で、街角のアイスクリーム売りのような風情で、タイカレー(じゃないときもあったが)を売っている。日によって、豆のカレーだったり、野菜だったり、チキンだったりした。ご飯は白米に麦と、あと豆や雑穀が混ざっている日もあった。確か値段も500円くらいだったし、素朴な味でおいしかったし、なんだかお兄さんを応援したくなるような感じもして、たまに買っていた。とはいえ、あの量では、多分 10 - 15食くらいしかなかったのではないかなあ。売り切れてしまっていたり、早く行ったら、寝坊したとかでくるのが遅かったり。会社の人と、勝手にストーリーをつくりあげてみた。きっとこの人は売れない劇団員かなにかで(本当は後でわかったのだが、音楽関係らしかった)、生活費の為に、今までのアジアの放浪旅の経験を生かして、カレーを自宅でつくり、それを売りにきている。で、これからカレーで一山あてて、成り上がってゆく…しばらくするとお兄さんはカレーを売りにこなくなった。どうしちゃったのかな~、と言っていたら、そのうちに、どうも、今までの場所より少し奥の、遊歩道のほうに、ミニバンでカレーを売りにきているらしい。同じお兄ちゃんかどうか確証がなかったし、週に2、3回しか来ていないという情報だったので、なかなか買いにいく機会が無かったのだけど、たまたま買ってきた人のカレーをみたら、うーん、間違いないな~。というわけでまたたまに買いにいくようになった。着実に拡大路線か!?ここのお兄ちゃんの何がいいって、合成添加物や化学調味料を使っていないというウリもさることながら、持ち帰り用の容器も紙でできていたり、スプーンも、木の使い捨てスプーンをつけてくれる。常連の人には持ち帰り用の使い捨てじゃない容器まで配って(無償で)くれているようだ。(わたしはそこまで常連化していなかったのだけど)ところで今日、駅前商店街の中のちょっとした空店舗(たぶん花屋だったとこ)に、なんと、このカレー屋さんのカレーバーが今週開店、という話をきき、行ってみた。お兄さんはそのまま車で営業を続けているけど、お友達にこっちをまかせているんだとか。お店はカウンターのみ、お昼のメニューはカレーのみ3種類という潔さ。ちなみに今日はネパール風カレーと、ひじきやごまの入った和風カレーと、ひよこ豆のキーマカレーだった。(車の方はチャイとラッシーも売ってるのに~)夜は、カレーも食べられるバーになるらしい。泡盛と焼酎がメインのようだった。オリオンビールの生もあるとか(普通は缶が多い)。こういうセレクションも好感。いやー、わたしたちの予想通り着実に成り上がってますなあ。彼がカレー長者になる日も近いのか!?全然関係ないんだけど、今日そのカレーバーの棚においてあった珍しいお酒を発見…フランスのビーツ(砂糖大根)でつくった焼酎らしい…ちょっと目が点になりました。フランス産焼酎”パリ野郎” 25度 700ml ≪ 新 黒ラベル ≫