カルチャーショックでした
ある駅の列車の発車時刻である8:01 17:20 19:33 以上冗談ではない、本当に正真正銘、この駅を出る列車の時刻表である朝の一本を逃したら、もう次は夕方までないこんな駅が現存する。さあ、どこかおわかりでしょうか?これは、岩手県を走る、岩泉線の終着 岩泉駅の時刻表である。全線を走り通すのは、一日わずか3本しかない。途中折り返しの1本を含めても、上下あわせて一日8本しか走らない、日本屈指の超閑散路線である。今から20年くらい前、国鉄時代末期、一日数往復しか走っていない路線は、それほど珍しくはなかった。究極は1日1往復なんてのもあったくらいでもそういう路線はたいがい廃線になり、たぶん全国でもここくらいかもしれない。(部分的に極端に運転本数が少ないところはまだある)一日数往復しかない路線がある初めてこの事実を知ったのは、小学生の時カルチャーショックでした。曲がりなりにも都会育ちとしては、電車はあまり待たずに乗れるもの という意識があったので。これが私の原点。今風に言えば、「鉄」デビュー(笑)そんなところに言ってみたくなり、学生時代、サラリーマン時代にはよく尋ね歩いたものだおかげで、日本の鉄道はほとんど乗った。で、久々、先週その駅まで行ってきたのである。それも2日連続。初日は午後いちのやつで。2日目は、秘境駅号という臨時列車で。岩泉線を訪れたのは、3度目たぶん10年くらい前が初で、次が6年くらい前。相変わらず山深い。山深いところを走る線としては、日本屈指だと思う。川沿いの細道を、崖にへばりつくように走っていく。所々に開けた集落に駅を設け、少ないお客さんを拾って走る。紅葉の季節は最高だろう。ただ、落ち葉が多く、車輪が空転するので、運転手泣かせではあるらしいが。で、終着駅の岩泉商工会議所が併設されている関係で、ローカル線の終着駅としては立派すぎる駅前広場も広い。でも、ちょっと歩くともう山の中。やはり山深いところに代わりはない。現地に行ってみるとわかるけど、一日3往復だからといって、格段に不便という感じがしない時間にあわせて行動すれば良いだけ第一、地方の生活はすでに車社会であるから、利用者はお年寄りと高校生が中心。都会で一時間に一本しかない、となるとものすごく不便に思うが、こう言うところでは数時間待つのも、別にそれほど不便に思わないから不思議だ。都会で、10分遅れたくらいであくせくする生活が、ばかばかしくなるから不思議だ。郷に入っては郷に従え環境に合わせて、体がそのようなリズムになるから不思議だ私が旅をしたくなるのは、そのリズムを味わいたいから 多分そうなんだろう。また時々、出かけてみたいものだ。