勉強にはコツがある、でもその前に・・・
~毎月出している教室通信からの抜粋です~勉強にはコツがある。よく言われることですが、実は半分正解で、半分ウソだと私は思っています。比較的成績が良い子の勉強方法が、必ずしも合理的とは限らないからです。たとえば、「覚えるときは書け」といいますよね。でも読むことで覚える人もいます。じーっと教科書やノートを見て覚える人もいます。私もどちらかと言えばそうでした。あまり書かない方でした。音読をすると覚えられるともいいますが、黙読で覚えられる子もいます。結局の所ケースバイケースです。それぞれが自分なりのやり方を身につけていくしかないです。身もふたもないですが、これが結論です。そもそも、勉強のやり方がわからない子に、やり方を教えてあげたらあとはスラスラ勉強するのでしょうか?そうではない子がほとんどなはずです。勉強のやり方を知ることと、勉強するようになることとは、実は別問題なのです。マスコミなどでいわれることは、どうしてもわかりやすさ優先になりますので、「勉強にはコツがある」という言い方になります。しかし実は、どうやって勉強に仕向けるか?がもっとも大事なことだし、大変なことでもあるわけです。以前にも同じようなことを申し上げましたが、「それぞれのこども達が持っている能力と置かれている状況を正面からしっかり見据えて、出来るところからしたたかに手を打っていくしかない」という地味な結論に達します。勉強のコツは、そのあとのことなのです。極端に言えばコツなんて無くても良いのです。そもそも自分で勉強する姿勢さえ身に付けば、自然と勉強スタイルなんて身に付きます。きちんと勉強している子は、本当に個性的ですから。世間で良く言われるコツなどは、せいぜい味付け程度と思っていた方が良いです。コツを知って勉強を始めるのではないのです。始めてからコツありきなのです。私の教室に来ていただいているこども達は、勉強しようという意識は持っています。とにかく、それをくじけずに持ち続けていて下さい。あとは私の方で、調整しながらより良い方向に仕向けていきます。手間もかかるし、長い道のりではありますが、教育は地味なやりとりでしかないと思います。手間暇をどれだけかけられるか、それが勝負だと思います。それでもあえて勉強のコツは?こっそりと聞かれたら、私はこう答えます。「時間と手間を惜しまずにやること」