得手に帆を上げて
得意を伸ばす同じような意味だ。一般的には勉強に苦手意識がある場合は、まず不得意を補おうとするが、実はある程度できるようになった子がとるべき方法。苦手意識がある場合は、まず絞り込み、そこで実力を上げていった方が正解。実力をつけることは物理法則みたいなもので、よりエネルギーを注いだものが勝つに決まっている。効率よくやるとか、勉強の仕方をどうするとかは、戦術レベルの話であって、その前にエネルギー(この場合主として時間)を注ぎ込むしかない。苦手としている子は、より多くのエネルギーを投入しないとならない。しかし悲しいかな、このエネルギー量自体が決して多いとはいえないのが事実。勉強時間をたっぷり取っていたら、ある程度成績は比例するのだ。となると、乏しい戦力をどう振り向けるか?と言うことになる。実際の戦争で言うと、兵の練度も装備も劣勢で、戦力の絶対数でも劣勢軍が、いざ戦うとあったらどうするか?(本来なら戦闘を避けるのが最良だが、そうはいかない場合)少しでも勝算の見込めるところに集中的に投入するしかなかろう。局地戦にエネルギーを集中させるのだ。勉強も同じ。比較的苦手意識の薄い、もしくは比較的やりやすい分野に集中させた方が良いと言うことになる。一見勇気がいることだし、結果が出るまで少し時間がかかるが、結果的には近道となるただし、これを鵜呑みにはしないでほしい。そもそも学校の仕組みがそのようにはなっていない。入試がそのようにはなっていない。あくまでもこれはきっかけ作りでしかないのだ。いつまでも押し通せるわけではない切り替えるときが必ず出てくる。またそうしなければ、今の学校システムと必ず齟齬を来すその見極めは人によってすべて異なる。かくなる私も、まだまだ試行錯誤だ。そもそも勉強が苦手と一言で言っても、いろいろなパターンがある。すべて「得手に帆を上げて」作戦でうまくいくわけではないこの部分だけを切り取って、戦術として伝えても何も意味がない。それどころか悪影響ですらある。戦略部分の構築が絶対に必要になる。それは個々のパーソナリティにかなり左右される。そこから出発しないと、なんにもならない教育は、多様な営みなのである。この多様性がなくなると、効率的ではあるが、非常に脆弱なものになる。手間暇かかるが、そこが教育の醍醐味であるまあ、いつもの結論なのだが(笑)、基本は外さず、後は地味にやるしかなかろう